史料に学ぶ「合同のとらえなおし」①(2009 沖縄・もとすす)

2009.11.24 執筆、「求め、すすめる通信」第13号所収

沖縄から米軍基地撤去を求め、教団『合同のとらえなおし』をすすめる連絡会

(連絡会代表、明治学院教会牧師、健作さん76歳)

 将来『日本宣教学辞典』なるものを編集したならば、「合同とらえなおし」は、その見出し語の一つに挙げねばならないと思っている。

 今は包括的・辞書的説明に纏める事は避ける。そこに至るまでの「史料」の指摘にとどめたい。

 「合同とらえなおし」なる事柄は「教団総会」で決議された。その重みを再認識したい。教団は「会議制によりその政治を行う」(教憲第4条)とある。さらに「教団総会をもって最高の政治機関とする」(第5条)と続く。

 第23回 教団総会第31号議案が「合同とらえなおし」を初めて総会決議とした。

 年代は今から25年前、1984年11月12日−14日である。その意味で、この議案は基本的「史料」である。今読み直してみると、提案者は「常議員会」であるが、文章は決して滑らかなこなれた文章ではない。当時、私は常議員会の一人であり、この議案に関しては、議案・案文作成委員のメンバーであった。いささか赤面の至りである。

 しかし、この案文ができるまでには、第19総会(1976年11月)以来の議論が踏まえられている。例えば「提案理由」の①にある「1969年2月25日の両教団の合同」についての解釈に関しては「『合同』と称する行為があったことは疑うことの出来ない歴史的事実である」とした。

「合同」についての見解の幅には茫漠たるものがあり、論議は果てしなく続いた。だが決議はこのような文言で「合同」を定着させた。合同の証しとして、最初に「教団創立記念日」の変更を議案本文に入れたが、討論の末、削除された。

 原案では総会の許での「特設委員会設置」は第4項目であったが、修正案では、これが第1に持ってこられた。「創立記念日」の変更という制度的な縛りをいきなり掛けることを避け、実質の展開を願ったという面が、良くも悪くも総会の討議の幅であったし、逆に、教団総会の勢力分野が政治的に変化する事で、委員会継続を総会は拒否した。

 そこで「合同とらえなおし」の実質化は進展せず、第33回総会では「教団名称変更議案ほかとらえなおし関連議案の廃案」(「日本基督教団年表」)で「合同とらえなおし」という教団的(教会的)行為にとどめが刺された。

 この議案を史料として学ぶ事は、この事柄をすすめてきた「私達」の側に多くの反省の思考をもたらす。が、同時に、この決議が議案主文で「宣教」という概念の中で扱われている事は、教団の「宣教」概念の内実に重要な方向性を投げ掛けている事に注意を注ぎたい。

(「求め、すすめる通信」第13号には続いて議案本文が掲載されたと思われる。「第23回 教団総会 議案31号『日本基督教団と沖縄キリスト教団との合同のとらえなおしと実質化の推進に関する件」提案者:常議員会。現在、議案本文は筆者の手元にないためアップできません m(__)m。)

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