旧約ヨエル書に学ぶ(1976)

1976年10月3日 世界聖餐日 岩国教会週報
水曜の祈祷会・聖書研究より

(岩国教会牧師12年、健作さん43歳)

今からでも、あなたがたは心をつくし…わたしに帰れ(ヨエル書 2:12)

 災害に遭遇した時、そこから汲み取られる意味の深さを、どれほど後世に語り伝え得るか、それは極めて重要な課題であろう。

 イナゴの襲来を『主の日』の理解と祭儀の再生へと結びつけてゆくのがヨエルである。

 小麦とぶどう畑の絶滅は、生活を破滅へと追いやるものであるが、それは、素祭(そさい)・灌祭(かんさい)<パンとぶどう酒を捧げる礼拝>の欠如に表されるように『主の日』の審きの前に耐えられないイスラエル民族の罪の姿の自覚にまで至る。また残っているぶどう酒で現実逃避をしている者に『酔える者よ、目をさまして泣け』(1:5)と呼びかけている。

 この書物の書かれた年代(紀元前400年ごろ)は、イスラエル民族がバビロン捕囚から帰国後、礼拝が安定して守れる時代に属している。

 礼拝の意味への徹底を説いていることは、今日の私たちに鋭く迫るものを持つ。

 信仰生活にとって当然なことでありながら、深く捉えられていないことを、「今さら」という気持ちでなく、「今からでも」という捉え方に変えられるところに礼拝の再生の手がかりがある。

 礼拝の根本的意義の回復を訴えてやまないヨエルに耳を傾けたい。

(1976年9月29日 岩国教会 祈祷会・聖書研究より 岩井健作)


BOX-1. 岩国教会所蔵史料

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