山口の暑い一日:中谷さん訴訟に参加して(1973)

1973年8月19日 岩国教会週報

(岩国教会牧師8年目、健作さん40歳)

 8月16日(木)、暑い夏の一日を、中谷康子さん(山口信愛教会員)の起こした自衛官(夫)の護国神社合祀拒否訴訟の第一回口頭弁論に参加するため、近藤・井原両姉と山口地裁に行きました。傍聴者は東京から宮崎まで百余名に及び、36席を休憩時間を境に「支える会」の配慮で分け合って入廷しましたが、それでも入れない人を出しました。この裁判は、国は信仰という私事に介入するな、また軍(自衛隊)の士気に私事たる宗教を利用するな、という政教分離のごく基本線を訴えており、習俗だといって神道を利用、人民全般に押し付ける国家主義とそれを土台として推進する軍国主義に最低限のケジメをつけよう、という一女性の止むに止まれぬ訴えであるのに、法廷における裁判官の、原告の訴えに注意深く耳を傾けない態度や、被告(国及び自衛隊隊友会)側の代理人の憲法感覚の全くない発言に、傍聴者は裁判の前途の厳しさを憶えさせられました。公判後、山口信愛教会で「中谷さんを支える会」の集会をもち、参加者の自己紹介、経験の交流、今後の方針等を話し合いました。中平主任弁護士(西片町教会員)、小池、今村、中川の各弁護士を中心に、中谷さんの原初の意志を支え、右翼の脅し(公判当日も脅迫電話)に抗して、また靖国法案、津地鎮祭違憲訴訟、軍国化する自衛隊の状況と関連させつつ、一人でも多くの人が、基本的人権を守る市民レベルの運動として、広がりを作っていくことを約して散会しました。暑さの中、接待等に心を尽くされた、また運動の中心でお世話や役割を担っている山口信愛教会の方々の信仰と働きに、主の祝福をお祈りします。

(1973年8月19日 岩国教会週報 岩井健作)


BOX-1. 岩国教会所蔵史料

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