牧会祈祷(1993.7 神戸)

1993.7.18 神戸教会主日礼拝・夏季特別集会 直筆原稿より

(神戸教会牧師16年目、牧会36年目、健作さん59歳)

 我らの主よ

 木々の葉に雨の雫が 宝石のように光る日曜日の朝、礼拝のためにこそ備えられた、この会堂に招かれ、共に歌い、共に祈り、共に”神の言葉”を聞き、魂の養いを得る時を感謝いたします。静かなひととき、私たちは日々の生活をあなたの前に省みます。

「わたしたちは見えるものにではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです」(コリントⅡ 4:18)

 という聖書の言葉を、私たちは人生の危機においては切実に聞き取っています。しかし、私たちの日々の生活は、その危機を忘れたり、見えるものに目を奪われてしまいます。この浅はかさを深く懺悔いたします。

 昔、詩人が歌ったように

神よ、汝は砕けたる悔いし心を軽しめ給ふまじ」(詩編)

 という言葉により頼み、また

今日ありて明日爐に投げ入れらるる野の草をも、神はかく裝ひ給へば」(マタイ)

 という言葉により頼み、あなたの愛と恵みとあがないのうちに、いと小さき者を覚えて下さるよう切に祈ります。

 あなたはイエスの生涯の振る舞いとその教え、そして十字架の死を通して、いのちを示されます。そのいのちにあずかるとき、新しい日々を、自分の責任において、生きるものとされていることを喜びます。どうか、あなたの与え給う許された日々に向かって希望をつなぐものとさせて下さい。

 父なる神

 今日は私共の教会が祈りのうちに計画してきました夏期特別集会を持っています。農村伝道神学校より、高橋敬基先生をお遣わしいただきました。あなたの福音を証しする豊かな賜物を携えた器から充分に学ぶことができますように。この養いの時を祝福して下さい。今日展開される主題は、今の混迷する世界や教会の中での指針となります。どうか全てのプログラムを、それを担う信徒・求道者の一人一人を祝福して下さい。高橋先生を遣わされた農村伝道神学校の上に、この時も顧みを豊かにお与え下さい。

 父なる神

 今日は国政の選挙が行われています。見える権威、寄らば大樹の陰、お金の尺度あるいは天皇制的精神構造によるものの考え方に絡め取られる弱さを持つ私たちの民族のあり方が、少しでも揺らぐような日々であることができますように、切に祈ります。

 父なる神

 教会の夏のわざ、この週行われる二つの幼稚園のお泊まり会、教会学校キャンプ、それぞれが恵みのうちに守られますようにお願いします。病める兄弟姉妹また家族の死の悲しみをずっと携えている家庭の上に、特別なる力と慰めをお与え下さい。一人一人の祈りに合わせこの祈りをみ前に捧げます。

アーメン

この日の説教要旨「律法の行いによらず 信仰による」高橋敬基

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