挨拶と祈り(2008 沖縄・もとすす)

2008.6.15、第2回「求めすすめる連絡会」全国総会、岩国教会

(もとすす世話人代表、明治学院教会牧師、日本基督教団教師、74歳)

「岩国は、負けない」

 この宣言に触発され、またこの言葉を招きとして受け、私たちは岩国に集まってきました。「岩国は、負けない」。これは世界に発信された宣言です。それは、札束と悪質な大量情報、あらゆる権力構造を使って、米軍再編の世界政策を推進し、憲法9条の悪質な抹消に軸足を定めた軍事政策と人権抑圧政策を日常化し、露骨に地方自治を破壊する現政府に突出する支配権力に、ひどく泣かされた者たちの、その相手方への宣言であります。

 さらにそれは人間そのものを破棄する諸悪の根源・新自由主義グローバリズムが意識された宣言であります。私たちは、この宣言を「どれだけ主体化出来るのか」という課題を負って今日ここに集まって参りました。

 例えば、私のことに引きつけて申せば、私がたまたま居住している都市・鎌倉市は全国に先駆けて「平和宣言」をして今年で50年になります。

「我々は日本国憲法を貫く平和精神に基づいて核兵器の禁止と世界の恒久平和の確立のために全世界の人々と相協力してその実現を期する……鎌倉市」とあります。

 この平和実現の精神を掲げ「鎌倉は、負けない」というぎりぎりの戦いを自分に課しているだろうか。神奈川に存在する米軍基地撤去の運動がどれ程自分の生活との関わりで意識されているであろうか。沖縄の過酷な基地の状況とそこでの戦いが、どれ程、自分の生き方に思想化され、生活化されているだろうか。

 このような内省を持ちつつ、同じ課題を意識する友人たちからの励ましを望みつつ、ここに集まってきました。さらに言えば、新自由主義の観念構造と重なり合う力学を持って組織運営を露骨に推進する、我々が所属する「宗教教団」の問題性とどれ程に意識して向き合えるのか、という課題を「教会の日常」として抱え込んでいる友人たちと出会うことが、どんなに慰めであるか、という思いを抱いて集まってきました。

 この集会が、実りあるものとなることを願ってやみません。企画の推進に労を取られた事務局、そして現地受け入れをしてくださった、岩国の大川さんを中心とする西中国の方々に厚く感謝いたします。今回はここに集うことは出来なかったが、祈りを持って支えてくださる方々に感謝いたします。

 開会に当たり、ひと言祈りをささげます。

 神よ、イエスの父なる神よ。

 沖縄から米軍基地撤去を求め、教団「合同とらえなおし」をすすめる、志を同じくする者を祝福してください。いつの日にか、沖縄、そして岩国、全国の基地を無くすことが出来ますように。その志が力を持ちますように。呻吟するものの祈りを聞き上げ給え。

 イエスの御名によりて。

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