兵庫教区 教育部の一年を省みて(1980)

1980年3月16日「兵庫教区報 No.44」掲載、日本キリスト教団兵庫教区

(1979年度 兵庫教区教育部委員長、神戸教会牧師2年目、健作さん46歳)

 人それぞれ自分のこととなるとどれほどわかっているかは知りませんが、日頃から自分はあまり教育的な人間ではないと、私は自分のことを思っています。もし教育的ということが、忍耐をもって相手を見守るとか、冷静に事柄を判断するとか、受容の精神に富んでいるとか、相手の良さを伸ばし時としては適切に叱るということであるとするならば、そのような人と人との関わりを持ちつつ生きるということが苦手な方です。そんな私がどういうわけか教区総会で教区の教育委員の一人に選ばれ、しかもその後の委員会で互選により委員長の任を負うようにとのことで、恐れおののき続けて通した一年でした。しかしそうも言ってはおれず委員諸氏の力に支えられて、務めて遂行してきたわけです。私なりの考えを述べますと、教区教育部の目指すところは、各個教会が信仰の養いにおいて教育力というか、相互に牧会し、新しい世代を育てていく人間関係の渦のようなものを強めていくことに奉仕することだ、と思っています。だから規模の異なる教会がどれも同じ分野での教育プログラムを持たねばならないとは思いませんし、伝道や社会のプログラムを遂行していく過程も、捉え方では教育的働きであると思います。教会のあらゆる活動が、教会共同体(主のからだ)としての質を強め、共同体としての成熟に向かっていくための連帯の場を作り出していくことが教育部の働きだと考えています。教育部には教区規則で決められた所管事項がありますが、分野と担当する者を決め、小委員会を構成しています。各分野が自己完結的にスケジュールを消化していくのではなく、それぞれの地区や地域、グループの自発的働きに対応しつつ、またそのような働きを促しつつ、プログラムを立てていくという方法をとってきました。各分野の概略を記してみます。

①青年担当。M委員。O、H協力委員。アンケート調査を実施。24教会より回答あり。青年活動の動きのある教会からは身近な連帯が求められている。隠れた青年会活動の掘り起こしが当面の課題。(「教育部だより」2号を参照されたい)

②壮年担当。M、U委員。アンケート調査を実施。102教会中32教会より回答あり。教会の規模で組織状況は異なるが、壮年活動の面で交流希望多し。(「教育部だより」2号にまとめを発表)

③婦人担当。N、U委員。N、M、Y協力委員。組織的には今回の機構改正で教育部に属することとなったが、各個教会婦人会活動を基盤とし地区ごとの組織をまとめ、全国教会婦人会連合につながる大所帯。今年は"次の世代に継承するもの"をテーマに、総会、婦人会々長会、各地区集会、敬老会、老人問題研修会が持たれた。播州地区の小委員会活動「戦争を語りつぐ」「ボランティア」および中谷裁判傍聴への代表派遣等、新しい分野の活動。

④教会学校担当。O、N、T委員。S、O、T協力委員。
主な実施集会、阪神地区中高生大会(8月25日)12教会91名参加。
CS教師一泊研修会(9月23日-24日)12教会21名。
播州地区中高生キャンプ(8月21日-22日)18名。
芦屋5教会CS教師研修(9月30日)30名。
阪神地区CS生徒大会(1月27日)410名。
播州地区CS教師研修(3月20日)
教会の地域的共同活動の定着したところの進展に加え、新しい活動を起こしていくことが今後の課題。

⑤DCE(キリスト教教育主事)担当。T、N委員。関西DCEの会の活動に協力。21名、毎月1回約10名が甲東教会で例会。関係教会牧師と懇談(6月28日)、セミナー開催(8月27日-30日)

⑥教会音楽担当。S、M委員。O協力委員。教会音楽奉仕者の会(3月16日)、CS音楽を含めた講習会(3月20日)。その他、次年度はオルガン講習会を甲東と須磨で行う。T氏を全国担当者会に派遣。

⑦幼稚園担当。岩井健作、O委員。O協力委員。園長会(9月17日)16教会22名。宣教的視点からの教会幼稚園の共通課題を宗教法人・学校法人・非認可の設置形態を超えてどれだけ深めて考えていけるか今後の課題。

⑧キリスト教主義学校との連絡。N、N、岩井健作委員。関係学校宗教担当者との懇談(1月31日、神戸女学院、関西学院中高、頌栄短大)。待たれていた集い。今後の積み上げが期待される。

⑨神学講座。別委員会(辻健、南谷繁弘、佐藤千郎、菅澤邦明)に岩井健作委員が参加。第4期(3月12日〜5月14日)9回、第5期(9月17日〜11月26日)9回実施。毎回約40名の継続参加者あり。第6期(3月17日〜5月10日)8回を計画中。

⑩広報担当。「教育部だより」No.1(10月22日、CS特集)を1500部発行。No.2(青年特集)を2000部発行予定。

 激動の70年代から展望不定の80年代に向かい、戦争責任告白のもつ方向性を教会の日常活動に再生させることを願いつつ。

(1979年度 兵庫教区教育部委員長 岩井健作)


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