1969年4月17日 岩国キリスト者平和の会々長 岩井健作
(岩国教会牧師4年目、健作さん35歳)
この一年、一般の平和運動では、諸課題のうちでも「体制を変革する。その変革の全体そのものが変革されなければだめだ。対象を変革するためには自分そのものを変革しなければならない」という思想的課題が厳しく取り上げられてきました。それは既成政党、労組そのものの体制的あり方への批判となってあらわれ、また学生運動の激化、市民運動の広がりの中にあらわれてきています。もし平和の会が、小じんまり留まり、教会の内と外とに根源的な平和への責任を呼び覚ましてゆくようなものを失い、スケジュール消化的活動に終わるならば、厳しく審かれなければならないものを感じます。この点を踏み外さないで次の一年の歩みを開始したいと存じます。
さて、具体的な行動を振り返ると「靖国法案反対」と「基地撤去の戦い」の二つの点を戦いの焦点に据えてきたと申せましょう。これは内と外との二面での安保体制に対する戦いであります。前者は安保を国民の精神にまで根付かせようとするために強力に進められている施策の一つとの戦い、後者は安保闘争のシンボルでありますが、この二面での戦いをさらに進めてゆかねばなりません。反体制の弱い岩国では、右翼や軍国主義志向グループの活動が目立ってきましたが、体制に巻き込まれないような運動を拡げてゆきたいと思います。地方都市ではやればやっただけの効果があるという利点があることを手がかりとしてやってゆきましょう。
1969年4月17日 会長 岩井健作
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