永眠者記念式の祈り(1995 週報・降誕前・聖徒の日・震災の年)

1995.11.5、神戸教会週報、降誕前第8主日、聖徒の日

(神戸教会牧師18年目、牧会37年、健作さん62歳)

(この日の礼拝説教)ローマの信徒への手紙 8:26-30、説教「万事が益となるように」
 本文は、礼拝内の「永眠者記念式」における祈祷文である。
(午後)納骨者記念式、於 舞子墓園教会納骨堂 
 フィリピの信徒への手紙 4:4-7、説教「事ごとの祈り」 
(午前)礼拝説教・祈祷、(午後)記念式説教・祈祷は共に、岩井健作牧師による。
(翌週の週報記録によれば)礼拝出席者191名、納骨者記念式の出席者91名。


永眠者記念式の祈り

 天地の創り主、主イエスの父なる神

 私たちは、はかり知ることのできない神の摂理のもとに、世の旅路を歩んでいます。

 今朝は、教会暦に従って、この教会の肢(えだ)としての地上の生活を終わり、あなたのみ許に帰った、兄弟姉妹を覚え、永眠者記念礼拝を守ります。

「主は与え、主は取り給う、主の御名はほむべきかな」とのみ言葉に従って、主の御名を讃美する原点に立ち帰る礼拝を守らせて下さい。


 しかし、主よ、親しい者との死別は、癒し難い心の傷痕となって私たちの胸にうずきます。

 特に今年は、地震によって突如として亡くなった数千の方たちを覚えます。

 本当に大きな悲しみが神戸の街を包んでいます。

 主よ、どうかその悲しみを包み、癒しのみ手を延べて下さい。


 私たちの教会でも、今年は多くの方を、主のみ許にお送りしました。

 その遺族の一人一人に天来の慰めをお与え下さい。


 また、3年・5年・10年・15年・20年と、それぞれに記念日を迎える方たちを覚えます。

 年を経る毎に、思い新たな遺族の方たちに平安をお与え下さい。


 今日、「代々の聖徒」として覚える方たちは、ある者は天寿を全うし、ある者は人生の道なかばで、そしてある者は若く、召されました。

 それぞれあなたの目には、あなたがお与えになった使命を全うし、走るべき道のりを走り、帰天されたと信じます。

 どうかその生涯が年毎に新しく語りかけるメッセージを語りかけていることを悟り、それを受けとめる者とならせて下さい。

 そして、そこにあなたの栄光とその人ならではの個人史の深い意味を悟らせて下さい。


 私たちは、先に召された方たちとの信仰の交わりのうちにあることを感謝します。

 これらの方たちは、教会の歴史そのものです。

 その証しの上に立って、私たちに託された宣教の使命を全うする者とならせて下さい。

 聖書の信仰の根づくことが石地に種を蒔くような風土の中で、地の塩・世の光として、主イエスの十字架の道に従う者とならせて下さい。

 そして主イエスの復活のいのちと希望を証しする者とならせて下さい。

 主イエス・キリストのみ名によってお捧げいたします。

 アーメン

(1995年11月5日 神戸教会週報 岩井健作)


(サイト記)週報には「この一年の永眠者」として、10名の方のお名前と永眠日が記載されている。本サイトではご遺族からお名前の掲載を許された藤村透氏のみ、謹んで記載させていただきます。

 藤村透  出生 1962年9月28日
      永眠 1994年12月31日

  ▶️ 凍てついた時間と溶ける時間 − 藤村透さんへの想い出

 岩井牧師:11月7日(火)〜9日(木):教団常議員会に出席のため、東京出張。


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