高草木 光一 様(2016 書簡・べ平連)

2016.5.14 執筆、高崎(82歳)

高草木 光一 様

2016年5月14日

 拝啓 新緑したたる季節、ご健勝で平和を作り出す御努力の日々とお察し申し上げます。

 さて、この度は『ベ平連と市民運動の現在 吉川勇一が遺したもの』のご恵贈に与かり感謝いたします。

 読了いたしました。久々「ベ平連」の空気を吸いました。

 吉川さん80歳のお祝いの会に出かけましたら(当時は鎌倉居住でした)、受付で「岩井さん、テーブルスピーチに当たっているよ」との言葉、びっくり。私など、吉川さんとはそんなにお近付きではなかった(岩国から移って、神戸で24年間牧師をやっていました)ので、末席に侍るつもりだったのに。何を言ったか覚えていないのですが、例の「小田との名コンビ」を礼賛する内容だったと思います。

 2014年に拙著『兵士である前に人間であれ』をお送りしたら、原稿用紙に丁寧な礼状を下さり、「鶴見さんには贈った?」とのお言葉(多分電話)があり、「恐れ多くて」といったら「送っといて」との事、早速お送りしました(その辺りは同封の中国新聞記事御参照)。

 私は2015年7月、急に当地、社会福祉法人「新生会」の老人施設に入居する事になり、急な引っ越しをしたので、その時、吉川さんの書評手紙(原稿用紙)を何処かに紛失してしまい、いまだ見つかりません。残念至極です。そうして、「市民の意見30」 146号に天野恵一さんの書評と紹介の労をとって下さいました(同封いたしました)。

 小田亡く、鶴見亡く、吉川亡きあと、この度のような「ベ平連」と市民運動を繋ぐ作品が出たことは本当に希望です。しかも現在の奥田君らの運動(私はキリスト教なので、奥田君の父・奥田知志さんとはお交わり戴いたことがあります、また明治学院教会牧師を最近までしていたので、彼とは何回か会いました)にまで言及している広い視野に啓発されました。

 最終頁(p.112)「最終的には、自分のライフスタイルの問題」に共感いたします。巨大な権力機構と向き合う「個人」と「不定形な共同性」を意識し、自覚し、老いても自分の発想で、大きな意味での「運動」につながって生きてゆこうとの思いを持って日々を送っています。高草木先生においても益々大事なお役目を果たされんことを切にお祈り申し上げます。

敬具

岩井 健作

(サイト記)『ベ平連と市民運動の現在 吉川勇一が遺したもの』(高草木光一、高橋武智、吉岡忍、山口幸夫、花伝社 2016.4)の出版に際し、共著者より寄贈された。その感謝の書簡である。

吉川勇一(1931-2015.5.28 享年84)ベ平連事務局長(1965-1974年)。健作さんの岩国教会牧師時代、1970年7月4日、小田実・吉川勇一講演会(岩国労働会館で岩国ベ平連の主催)。

◀️ 書簡インデックス

▶️ ほびっと ぼくになにができるか?(2009 望楼 ⑨)

▶️ 『ほびっと』から(2019 サイト管理者)

▶️ 岩国への想い(2008 沖縄・もとすす)