「望楼」 ほびっと ぼくになにができるか?

「望楼」 ほびっと ぼくになにができるか?

2009.11.28 キリスト新聞

 この秋、講談社から『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』という本が出版された。著者は中川六平さん。副題に「べ平連1970-1975 in イワクニ」とある。中川さんは1950年生れのライター・編集者。この本は若い日の日誌をもとに一気に書いたらしい。

「ぼくは20歳になったばかりだった。海の向こうに戦争があった。人が人を殺すことなんてゆるされない。ぼくになにができるか?コーヒーで米兵のこころを掴もう。青春がぼくにあったとすればそれは岩国だった!」

 彼が店のマスターに担がれた、いわゆる「反戦喫茶ほびっと」の記録だ。この街の2つの教会の2人の「おとなの」牧師たちが影に日向に支えてくれたことが随所に記されている。心に染みる話だ。牧師たちのさらに前にはこの街では高倉徹さんや杉原助さんが牧師だった。

 11月2日出版記念会があった。六平さんはこの本を若者に読んで欲しいという。「1人の友達がいれば生きられる」と。この喫茶店を手のかかる我が子のようにいとおしんだのは哲学者の鶴見俊輔さんだ。本書に「エール」を送り、一文を寄せている。「今も、書きながら涙がとまらない」と彼にまつわる感動のエピソードが載っている。是非ご一読を乞う。(健)

関連記事:『ほびっと』から