『兵庫県大百科事典』所収、神戸新聞出版センター（1983年10月1日発行）
（神戸教会牧師５年、健作さん５０歳）
森田金蔵（もりたきんぞう）
慶応２年（1866）〜昭和１５年（1940）。美方郡湯村に生まれた。キリスト教を反論排撃しようとして逆に改宗。同志社及びアメリカに学び、神戸で貿易業につく。帝国鉄工社長、赤心社第２代社長等、多数の会社経営のほか、神戸貿易組合長、神戸生糸取引所理事長、神戸商業会議所副会頭、衆議院議員。キリスト教界では神戸ＹＭＣＡ理事長のほか、同志社評議員、神戸女学院監事。中でも長年熱誠をもって奉仕したのは日本組合神戸基督教会（日本基督教団神戸教会）執事と神戸孤児院（神戸真生塾）理事長であった。
（岩井健作）
横田栄三郎（よこたえいざぶろう）
明治３１年（1898）〜昭和５２年（1977）。岡山市出身。教育者。米沢尚三より受洗、日本基督教団神戸教会会員。関西学院大学、エモリー大学、ハートフォード大学卒業。関西学院宗教主任を経て、昭和１６年、頌栄保育専攻学校校長、頌栄幼稚園園長。同２８年、頌栄短期大学学長。創立者 A.L.ハウの精神に立ちつつ聖書教育に力を注ぎ保育者養成に専心。彼の懇請で当時講師であった小磯良平は、同校のためステンドグラス原画母子像を描いた。
（岩井健作）
渡瀬常吉（わたぜつねよし）
慶応３年（1867）〜昭和１９年（1944）。牧師。肥後国八代（熊本県八代市）の出身。大江義塾に学。海老名弾正の感化を受け、弟子として振る舞った。＜朝鮮人同胞教化＞を志し、明治４３年（1910）組合教会朝鮮伝道の主任として専念した。晩年＜日本的基督教＞を唱え、興亜神学院を設立する。日本組合神戸基督教会（日本基督教団神戸教会）には明治４０〜４４年の間在任。按手礼を受けた教会として＜牧師としての起点は愛する我が神戸教会に御座候＞との言葉を「教会月報」に残している。
（岩井健作）
執筆者座談会（笠原芳光、小林信雄、岩井健作）
