2001年12月18日執筆、
2002年 大地震子ども追悼コンサート
(パンフレット裏表紙)
(神戸教会牧師 健作さん68歳)
地震から7年。
あの時、和雄君は15歳。芳子さんは12歳。
兄妹(きょうだい)そろって、帰らぬ人になりました。
あれから7年。だからといって、今は何歳?といっても、イメージは湧いてきません。
この間、お二人のお父さんにお会いしたら
「芳子宛てに、貸衣装屋さんから、成人式の衣装広告の、ダイレクトメールが届きましてね。ひとの気も知らないでって、家内が怒って破って捨ててしまいました」
とのお話。
世の中ってほんとうにその程度なのですよね。悲しいけれど。
外見的には、あなた方のご両親だって、ひたすら働き続けて、お仕事のお店も立派になりました。
「でも、まだ、こどもたちの死とは、ほんとうには向かいあってはいないのです。だから、ひたすら毎日働いて、そして生きるのでしょうね」
とポツリと言われたお父さんの言葉が、妙に心に刺さっています。
親しい者の死と向かいあう、それは心の痛みです。
でも、ほんとうに、親しい者と、死を通してさえも向かいあいたい。
きっとその日がくる。
もしかしたら、人生の希望って、そのことに促されて生きることなのでしょうか。
「死」を忘却の彼方に置かないで、とあなた方の存在が呼び掛け続けているのです。
それは私たちへの励ましです。
ニューヨークで、アフガニスタンで、理不尽な歴史のきしみのなかで亡くなった人達は、私たちに代わって死を負い続け、そのことを叫んでいるのかもしれません。
今年も、このコンサートにお寒い中、お出かけくださって、本当にありがとうがとうございました。