子ども追悼コンサートの挨拶文 震災から8年

2003年 大地震子ども追悼コンサートのための挨拶文

川和教会牧師代務者

 地震から8年。

 世の中の先行きが見えないこの冬は、いっそう寒く、暗く感じられます。
 あの日も寒い寒い、暗い日でした。

 しかし、避難所で焚き火を囲み、星を仰いで、寒い夜をお互いに、励まし合いながら過ごした、ぬくもりがありました。

風呂もらいて 戻るは被災地 冬の星

避難所を「おうち」と呼ぶ児 枯野星 (青木直人)

 遠い彼方の光を放つ星は私たちに夢を与えてくれます。

 亡くなった子供たちもきっと夢を持っていたに違いありません。

 そういえば、かよちゃんはお花やさんに、かずなりくんはパイロットに、ゆうたくんは建築家に。幼な児は幼な児なりに、小学生は小学生なりに、羽ばたく夢を。

 中学生も高校生も、現実的でも、どこか初心を宿すファンタジーを、きっと抱きしめていたのでしょうね。

 ファンタジーを描くこと。それはこどもの特権です。

「亡くなった子どもたちの」一人一人の名前が記された『紙の碑(いしぶみ)』をじっと見つめていると、一人一人の夢が、そしてファンタジーが、躍り出てくるよう思えます。

 あの大地震はこの子たちの命を奪いました。今も世界の子どもたちの命は奪われ続けています。でもこの子どもたちのファンタジーを奪うことは出来ません。そのファンタジーを、もっと大きく、もっと色鮮やかに広げることが、残されたものの役目ではないでしょうか。

 今年も、御寒い中を、このコンサートに、お出かけ下さって本当にありがとうございました。