コスモス(2011 望楼25)

(フリー画像)

2011.10.1 キリスト新聞

(明治学院教会牧師、健作さん78歳)

 オスマントルコ時代のギリシャの小さなその村は急に物質的に豊かになった。人々はこぞって倉を建てた。だが心は疎遠になった。村長は人々の心をつなぐものを集めた。青年アリストテレスは一輪の花を持ってきた。その美しさと調和に思わず村長は「コスモス」と叫んだ。

 この話は藤原一二三著『こどもとおとなの合同礼拝 – やさしいお話18編』に載っている。神戸北教会が阪神淡路大震災後10年の辛苦の末の会堂建築、その献堂式の記念に配った本である。

 長野県佐久市のコスモス街道に出かけた。沿道9キロにコスモスが延々と風になびき、コスモス園には3万株が青空に映える。コスモスは一輪がその名のごとく完成した「世界」であって、同時に波打つ群生が、限りなく「美しい」。

 この秋、9月19日、東京・明治公園は「脱原発」の意思表示をする6万人の人の波で埋まった。「さよなら原発1000万人アクション」である。所属など問わない市民の一人ひとりが意志を持つ姿が「美しい」。それでいて波打つ民衆の行動が今、原発を推進しようとする政府、企業、東電、それに加担するマスメディアにNOの意思表示をする。コスモスの乱舞と重なって心はさわやかであった。(健)

宮崎県 生駒高原(フリー画像)
宮崎県 生駒高原(フリー画像)

ドイツと小さな「脱原発」集会(2011 望楼26)