2011年5月28日(土)
「キリスト新聞」掲載
(東日本大震災から2ヶ月、
明治学院教会牧師、健作さん77歳)
本紙「キリスト新聞」は「東日本大震災」関連で、5月7日付号に「宗派越え『脱原発フォーラム』」の記事を掲げた。
アクセントを「宗派越え」ではなく「脱原発」に置きたい。
今度の震災は、日本が「復興」に頑張ったかどうかよりも、「脱原発」の価値観を選び取り、世界に発信できるかどうかが問われている。
あれ以来、リーダーとしてさえない菅直人首相は5月6日、珍しく浜岡原発(静岡県御前崎市、中部電力、活断層が直下にあるとの説あり)ストップを投げかけた。
しかし、政策を変えたわけではない。
原発既得権益勢力の総反撃があるだろう。
脱原発を人間の命を守る価値観として標榜する民衆との熾烈な攻防戦が展開する。
菅直人首相の政策転換まで監視をしなければならない。
「市民が声をあげて、宗教者たちも自分たちの使命をもう一度確認して、国家権力に対して闘いをしてゆきたい」と先のフォーラムを結んだNCC(日本キリスト教協議会)副議長の城倉啓氏の言葉は重い。
「脱原発」は今、日本の教会やキリスト者にとって宣教課題の通奏底音である。
「伝道」が第一だ、「宣教」という概念は教会にはなじまないという正統的神学を表明する人達は、「自分達の使命をもう一回確認して」を深く受け取ってほしい。
冷遇されてきた脱原発学者たちも立ち上がってほしい。
(岩井健作)
祈り 3.11後(2011 望楼 ㉒)