祈り、3.11後(2011 望楼 ㉒)

2011年6月25日(土)
「キリスト新聞」掲載

(東日本大震災から3ヶ月、
明治学院教会牧師、健作さん77歳)


 神様 

 原発にあまりにも無知であったことを懺悔します。

 原発について、政府・東電・企業・御用学者・マスコミの安全神話に埋没して無批判であったことを懺悔します。

 心ある人たちが、核廃棄物が人類には処理不可能で、それを前提としたエネルギー消費は神のモラルに反すると叫んできたことに、やっと気付きました。

 首都圏で、そのひとりとして、電気を当たり前のように消費してきたことを懺悔します。

 お赦しください。

 この背後には、何の『罪』もないのに、我が家、我が街、我が仕事を、追われて棄民とされたフクシマのあの地域の人達がいます。

 この人達は繁栄日本の『贖罪』なのです。

 この人達の苦悩、悲嘆を覚え、再起に繋がって生きる道をお示しください。

 放射線計測・原子力研究者の小出裕章さん(京都大学大学院助教)は「研究室でも家でもクーラーは使いません。TVも見ませんし、エレベーターやエスカレーターを使うこともしません」(『隠される原子力・核の真実』創史社 2010年12月)と淡々と述べています。

 ヒロシマ・ナガサキの核被爆国が、さらにフクシマを体験して《脱原発》の発信国へと変貌するように、わたしたちの小さな努力を力づけてください。

 主の御名によりて。

アーメン

(岩井健作)


「望楼」

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