「望楼」 東日本大震災の後

2011.4.16 キリスト新聞

 『原発への警鐘』(1986年、講談社)の著者・内橋克人氏は、この度の「福島原発」事故について、原子力産業を推進してきた企業、さらにそれに「もたれ合い構造」で「原発安全神話」の浸透に力を発揮してきた、政府機関、ご用研究者・学者たち、マスメディア(新聞・TV)の総体がこのような悲惨な人災の責任者であることを、名を挙げて厳しく指摘する。情報や世論調査すら「あちら」側だという。

 今は亡き化学者・高木仁三郎氏は「原子力資料情報室」を設立し、「市民科学者」を標榜して、その「あちら」側にたいして一貫して被害者になりうる「人間の側」に立った。

 あちら側を責めればよいと言うものではない。エネルギー問題については、究極には、一人ひとりの生き方の選択にかかわる。「安楽」の「あちら」側か「苦渋」の「人間」の側か、と同氏は言う。

 人間破壊者の責任を明確にし、自分の生き方の選択をすることは、どちらも聖書の信仰の歴史の根幹に呼応する事柄である。被災地・被災者へのこまやかな救援活動と共に、「福音」の根幹を発信する「キリスト教」そして「教会」でありたい。この度の「震災」への関わりに悔いを残さないために。(健)


「原子力資料情報室(CNIC)」(外部リンク)