命漲る。 奥中山教会、カナンの園(2010 望楼12)

2010.4.24 キリスト新聞

(明治学院教会牧師、健作さん76歳)

 生活協同組合パルシステムに牛乳をたのんだら「いわて奥中山牛乳」がきた。奥中山は今でこそ酪農、そしてスキーと温泉の観光地だが、太平洋戦争以前は日本軍の軍馬の供給地だった。

 戦後この寒冷高地が払い下げられ開拓団が入って艱難辛苦の開拓が続いた。奇跡か、団長・八重樫治郎蔵、副団長・野澤義男、事務局長・川守田燦三が皆キリスト者であった。

 その辛酸は『奥中山・無番地物語』(やえがしこうぞう著、04年 本の森)に綴られている。

 初代3人の祈りが実って、今や、堂々たる会堂の日本基督教団 奥中山教会は100人近い信徒と共に礼拝を守っている。72年設立の「カナンの園」は13の社会福祉施設及び学園を運営している。

 その一つ「ひつじ工房アドナイ・エレ」のことは本紙2月20日付に生活支援員の戸田睦子さんが語っている。「みことば煎餅」を作っている「シャローム」では障害者一人ひとりに合わせて機械が動き、作業が進められている。

 人間が人格として限りなく大切にされ、自然との調和が活かされる。

 大都市一極の文明が荒廃する中で、信仰と共に生きる田舎に生命が漲る。

 都市キリスト教会も「辺境」から学ぶべきではないのか。筆者は昨夏ここの地を訪れ、励ましを受けた。(健)

戦後間もない岩手の奥中山開拓地を舞台に、少年信也のひたむきな生き方を、すぐれた自然描写のもと、開拓民のあたたかな心情とともに描きあげる。表題作ほか岩手日報社『北の文学』入選作品3編を収録した連作小説。(「MARC」データベースより)

奥中山教会

涙。沖縄の叫び(2010 望楼13)