喜んであなたのパンを食べなさい(2009 望楼 ②)

2009.2.21 キリスト新聞

「聖書研究(会)」は教会の大切な日常的営みだ。教職や発表者の神学的知見と信仰的読みが証される。が、方法はほぼ上意下達・一方方向だ。この世界的、歴史的流れに対抗して参加型の方法を徹底して提唱・実践しているのがラテンアメリカの「ベルボ聖書センター」の「聖書学習運動」である。

 参加型学習は、ブラジルの教育学者、パウロ・フレイレの思想の流れを汲む。サンパウロ市にある神言会修道院を本拠地に1987年以来展開されてきた同センターの所長は中ノ瀬重之神父(91年~)。30人の講師はカトリックとプロテスタントの人びとによって構成され、エキュメニカルな姿勢で参加する。

 このほど、この運動の民衆が用いるガイドブックが日本語に翻訳された。『喜んであなたのパンを食べなさい  共に学ぶ「コヘレトの言葉」』(マリア・アントニア・マルケス、中ノ瀬重之著、大久保徹夫、小井沼眞樹子訳、ラキネット出版、2009年)。

 翻訳者の眞樹子牧師は、かつて亡夫小井沼國光牧師と10年間、サンパウロ福音教会の牧師を務めていたが、この春再び、日基教団世界宣教委員会から宣教師として、フレイレの出身地近くのメソジスト教会に派遣される。祝福を祈る。(健)


「望楼」インデックス

「ことば」は「からだ」で語るもの(2009 望楼03)

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