1972年11月26日 岩国教会週報
1972年11月22日(水)23日(木)西中国教区信徒大会 於広島女学院中
主題「過ちを繰り返さぬために:韓国・朝鮮・戦責告白」
(岩国教会牧師7年目、健作さん39歳)
ファシズムの嵐が吹き荒ぶ韓国から、姜元龍(カン・ウォンヨン、ソウル 京東【キョンドン】教会牧師、韓国クリスチャンアカデミー・ディレクター)氏は来れなかった。それほど状況は厳しかった。たまたま来日中の徳成女子大教授・知名の池明観(チ・ミョングァン)氏が講師を務めて下さった。氏は終始、日本及び日本教会を告発する態度を取らなかった。「日本及び日本教会の過ちは、あなた方自身で考えて下さい」と言った。そして歴史家にふさわしく韓国教会の歴史と反省と将来への決意を語った。だが「日本の侵略と韓国教会」「今日の韓国教会の宣教神学」と題する二つの講演は、聴く者をして日本の教会の罪責と現状への反省を深く促して余りがあった。230名の参加者、西中国教区信徒の中堅の信仰を厳しく打つものであった。1910年から36年間に及ぶ日本統治の最大の苦しみが、南北の分断であるという事実を思い知らされ、その中でそれを逆手にとって民族に土着しつつ育った教会が、今苦悩の中にも方向と希望とを持っている様は、日本の教会が学ばねばならぬ多くの点を持っていることを示された。集会後23日(木)、広島本通りを「入管法反対」「靖国法阻止」「軍国主義復活反対」を訴えて、百余名がデモを行った。池明観氏は、韓国教会の中産階級的な生ぬるさを戒め、少数でも苦しみの中で真面目に真理に生きる意味を与える教会の使命を語ったが、その説得力のある言葉が雑踏を行くデモの背後を支えているようであった。この集会が行われるために労した兄姉に心から感謝したい。
(1972年11月26日 岩国教会週報 岩井健作)


