2014年9月26日(金)
高校生に向けた一日研修
(日本基督教団教師、牧会57年、
健作さん81歳)
1.「生かされている」という自覚
阪神淡路大震災(1995年1月17日)6,434名の死者。不条理の死。
その現場にいて、なぜあの人は亡くなり私は生きているのか。
(身近な高校生の死、ピアノの傍らで。蔵の中で)残された者の一人、そして「大いなる者」「神」「天地の造り主」「見えざる御手」(あるいは「仏様」と表現される方もおられる)に生かされている、という実感を持った。私のような方が多くいた。
「生かされている」と自覚した人は自分だけではない。
聖書の人間観。「命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった」(創世記2:7)「人の子、帰れ」(詩編90:3)。
造り主との関係で人は存在する。《関係存在として》生きるように示されている。神の《招き(呼び掛け)》があって存在する。
“re・spons・ibility”、レスポンス(応答)、レスポンシビリティー(責任、応答責任)、神に向かって責任を自覚する。
だから一緒に生かされている人との関係を大事にすることが、生かされていることの証しである。
2.42年間、幼稚園の園長
どんな子供に育てるか。もちろん子供は遊ぶのが天性ですから、遊びを保証することは第一ですが、それに加えて「ありがとう」「お願いします」「ごめんなさい」、”Thank You, Please, I’m Sorry” が自然に言える子を育ててきた。
これは人間が《関係存在》であるからである。
3.存在には二つ
・受動的存在(ゆうちゃんの場合)
『きみは、愛されるために生まれた』
(2007 川和・礼拝説教)
大きな働きをしている。
・能動的存在
『かみさまのおてつだい − 僕病気でいいんだね』
さはらよしこ(先天性の心臓疾患)
4.生かされている子と生きることは人間の肯定、大きな方向性
「殺すな」(聖書、出エジプト20:13)は、生きることの大前提。
5.仕事は「神様」から「召されて(呼ばれて)いる役割」
”Vocation”:神の召し、職業。”Beruf”:召される、職業。
青木優さんのこと。自分では医者を選んだ、しかし、生涯牧師として働いた。
6.仕事には仲間が必要
チームでの働きや関係で、自分の位置役割が造れる感覚の大事さ。
進水式、映画作りの山田洋次さんのお話。
7.孤独。独りになる勇気
連帯と孤独とは車の両輪。
独りになれないと、もたれ合いの関係。
孤立と孤独の違い(孤独は連帯と表裏、関係の自覚)。
聖書の「イエスに従うこと」は「独りになる勇気をもつこと」です。
「自分を捨て、自分の十字架を背負って、私に従いなさい」(マルコ 8:34)