問われる本土(2012 望楼33)

2012.7.7 キリスト新聞

(明治学院教会牧師、求めすすめる会代表、健作さん78歳)

 6月10日、沖縄県議会選挙が終わった。日米を合め国際的意識を秘めたこの結果を、本土のメディアはほとんど報道しなかった。もし結果が逆であったら、「日米辺野古新基地合意に可能性が」と大きく報道したに違いない。野党の過半数獲得で、「辺野古容認」へと寝返る危惧のあった仲井真弘多知事の動きを釘付けにした反基地闘争での重大な闘いであった。

 山内徳信参議院議員は東京の「6・15 沖縄意見広告運動(第三期)報告集会」で

闘いは「命がけ」であり、本質は「基地問題」ではなく「奪われた土地を奪い返す土地問題」だ、憲法はチパング(黄金の国)の黄金だ、100歳まで現役で運動を貫く

 と語った。御茶ノ水の「連合会館」で行われた集会に、わたしも参加した。問じ思いのキリスト者に出会い、励まされた。

『本音の沖縄問題』(仲村清司、講談社現代新書)を読んだ。迫力のある本だ。著者は大阪に育った沖縄2世、屈折した内面を秘めつつ、的確に歴史を解明する。構造的差別をフクシマと重ね、「カネで取り繕う国家の仕組みは破綻したと云っていいのではないか」と。そして沖縄民衆の権力との闘い方に独特の「型」を見る。ここでも「本土」は問われている。

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