世の真実に心を留める(2004 川和・説教要旨、教区集会、農伝卒業式)

2004.2.29、川和教会礼拝説教(要旨)

フィリピの信徒への手紙 4:8-9

1、フィリピの信徒への手紙の学びも終わりに近づきました。まとめをしておきます。

 この手紙の特徴は、著者と教会との美しい交わりがある事、パウロが信仰の筋道について丁寧に語っている事です。例えば、1章16節は、信仰が実っていく希望(終末論的信仰)を、1章29節では「キリストのために苦しむ恵み」(贖罪論的信仰)を、2章6-8節では「十字架の死に至るキリスト」(キリスト論的信仰)を、3章9節では「信仰に基づいて神から与えられる義」(信仰義認論)を、述べています。

2、信仰の筋道は、建築でいえば、設計図、基礎、構造のようなもので、大事です。その養いには、教理問答、信仰問答、信仰告白文、などが使われます。私もかつて西中国教区で、教区宣教研究会編『洗礼を受けるまで』の作成に参加した事を思い出します。パウロは、自分が伝道した教会に、ロ−マやフィリピの手紙など筋道を追った信仰の論理を教えました。

3、しかし、パウロはそのような信仰の理解を一度離れて、一般社会で人々によって担われている徳目の中に福音を再発見するようにと勧めます。それが4章8節9節の言葉です。「終わりに、兄弟たち、すべて真実なこと、すべて気高いこと、すべて正しいこと、すべて清いこと、すべて愛すべきこと、すべて名誉なことを、また徳や称賛に値することがあれば、それに心を留めなさい」(4:8-9)とあります。

 少し、釈義的なことを申し上げると、ここには八つの徳目が挙げられています。こういう徳目表は新約聖書の他のところにも出てきます。当時のストア的民間哲学の中にある徳目です。ただ注意を払うべき点は、これらの徳目が、最後の言葉、「平和の神が共にいます」に集約している点です。民間哲学では、徳目の一つ一つを実行することで、個々人の人格、品性が立派になることに重点がおかれます。パウロでは、個々人の人間的完成ではなくて、神が共にいます共同体の形成が目標とされています。

4、「世の真実」と言う事について、先週経験したことをお話しさせて戴きます。パレスチナの劇団アルカサバ・シアターの演劇舞台を見ることが出来ました。劇の題名は『アライブ・フロム・パレスチナ “Alive From Palestine” ー 占領下の物語』。舞台にはアラビア語の古新聞の山が三つあるだけでした。

 6人の裸足の俳優は、我々がいつも聞いているパレスチナのメディア情報や政治イデオロギーの現実を破って、極限状況の生活をユーモアやアイロニーに転換してしまうしたたかな人間の力と真実と笑いを伝えてくれました。「あの地域から」との思いを強く抱き、感動で涙しました。



(サイト補足)この日、2月29日礼拝後の神奈川教区「もどそう自衛隊緊急集会」。以下は健作さん記。

 横須賀で、まず「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の年季の入った月例デモに参加。「戦争へ行くな」の横断幕を掲げ、総監部、基地ゲ−ト、三笠通りを数十人で行進。責任者の新倉裕史氏が「イラク派兵の最中でも、自衛隊員はいま憲法9条によってこそ守られていることを知ってほしい」とアッピール。5時から木元茂夫さん「イラク派兵第2ラウンドと有事7法案」を学んだ。教区社会部関係者・鎌倉恩寵教会員など20数名。(岩井記)


翌々日、火曜日、農村伝道神学校第54回卒業式。
 3月2日。浦部牧子、加藤輝勢子、川本恵子、名塚和義、平井克也5名の卒業生の宣教の現場への門出にふさわしい、祈りと激励に満ちた式及び茶話会であった。浦部さんの和服姿がきりりとした決意にふさわしくまた美しかった。川和教会からは祝電、鳥居睦子姉、岩井が参じた。嶋貫さんは送り出す側の大役だった。(岩井記)


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