心暖まる本4冊、真実を求める(1998 礼拝説教、補助)

1998.10.18、神戸教会、聖霊降臨節 ㉑
説教:原稿11枚+資料2点週(冒頭ページのみ掲載)
「心暖まる本4冊」(同日週報掲載)

(牧会40年、神戸教会牧師 20年目、健作さん65歳)

こだまちか氏(神戸教会員・故渡辺宏介兄 息女)より近著二冊のコミックスの寄贈を受ける。

わたしのたからもの − ダウン症児とともに』(白泉社 1998年9月)は親として、妹として、友人として、ダウン症児と過ごす中、社会を、自分を見つめ直す主人公たちの愛のストーリー。


▶️ わたしのたからもの(1998 石井幼稚園)
▶️ 共に苦しみ 共に喜ぶ(1998 礼拝説教・神戸女学院大学)


穏やかな終章(1)』(壮美社 1998年9月)は、末期がん患者の苦痛を和らげる、緩和ケア専門の病棟・ホスピスで、ボランティアとして働く若い女性の目を通して描く、人の生と死・愛を問いかける感動の物語。六甲病院緩和ケア病棟・関本雅子医長の監修。背景に永遠を象徴するように神戸教会が描かれている場面がある。「関西人まんが家」を自称する同氏の心のふるさとであって欲しい。


高野勝夫兄(神戸教会員)83歳の編著『キリスト教逸話例話集』(神戸キリスト教書店刊 1998年10月)を賜った。

 長い間キリスト教学校で礼拝説教に苦労され、若い学生に少しでも分かりやすくと、人生論的アプローチに苦心し、「真理を除く窓」として集めた逸話は730余り。

「読み物としての信徒の方々には日常の霊の糧ともなる。これも本書の狙いの一つである」と著者。

 平易で親しみやすく、どの頁を開けても、魂の琴線に触れる。と同時にこの本は、日本キリスト教信仰史の遺産を綴っている。

 分類されている22章にわたる項目は、キリスト教・救い・信仰・罪・祈り・讃美・聖書・伝道・教育・牧会・説教・教会生活・愛・献身奉仕・平和・実践・母・結婚・夫婦・青少年少女・摂理・苦難・病苦・殉教・死・平安・自然に渡っている。

 逸話は著者の信仰による語りであって、文献的引用ではない。著者の書斎の豊かさを想像して心が温まる。


小池基信さん『地震・雷・火事・オヤジ ー モッちゃんの半生記』(小池基信、神戸学生青年センター出版部、1998年11月)を戴いた。

 著者は筆者の一級上の同志社神学部大学院卒業。幾つかの教会の牧会の後、父小池文雄の牧する甲南同胞教会の副牧師として赴任。1970年代の万博キリスト教館出展をめぐる教会闘争で若い人と旧世代の板挟みを経験・辞任。神戸学生青年センターの初代館長を勤め、食品公害・アジア住民運動との連帯の基礎を作り、1980年より同志社国際中・高校で「聖書科」の教師、生徒の平和学習・沖縄研修に力を入れ、1998年定年退職。

 文章が軽快で「少年H」ではないが、世代が重なるせいで一気に読んだ。風水害・空襲・地震と三度もまともに災害に直面していること、母と父とをそれぞれの死を送る場面は心に深く残った。それにしても多才、有能、闊達の士・小池さんの熟年からの活動を祈りたい。


原稿は11ページ+資料2枚。冒頭ページのみ掲載します。

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