日誌・雑録(1997 週報・3月・受難節)

1997.4.6、神戸教会
復活節第2主日礼拝週報

(神戸教会牧師19年目、牧会38年、健作さん63歳)

《この日の説教》
マタイによる福音書 28:16-20 「弟子たちの派遣」岩井健作


(1997年)
3月13日(木)

 神戸教会いずみ幼稚園を卒園するSちゃんは、車椅子の生活だが、小学校へ行っても皆んなと一緒のクラスで学びたいという願いを、ご両親は持っている。

 インドネシアからの来日で、言葉や介助の問題など不安はあったが、この6ヶ月、幼稚園では教師と子どもたちは、そこを越えて、豊かな園生活を繰り広げることができ、感謝であった。

 しかし、受け入れのK小学校では、校長先生だけにはお話ししておいたが、職員会では不安があるといい、次年度1年生の受け持ちの3人の教師たちが、幼稚園に保育の見学に来られた。

 この日、年長組は例年のごとく、お店におうどんを食べに行く日だったので、小学校の先生たちも一緒に出かけた。

「きつね」「天かす」「玉子」などと思い思いの注文をして、貸切のお店で楽しいひとときを過ごした。

 小学校の先生たちも多少安心されたようだった。

 毎年のことながら「ちから餅」さんには本当に感謝だ。

 ▶️ 神戸元町ちから餅

 地域に支えられた保育を思う。


3月17日(月)受難節第5主日の翌日

 教区主催の地震790日の現地研修。参加者39名。

 西宮枝川仮設住宅は、教団ボランティアセンターの金牧師がまめに訪問しているところ。

 この日は、藍の絞り染めを、この仮設のご老人たちと一緒にできて楽しかった。

 県庁で行われた被災者連絡会の対兵庫県陳情に午後から皆んなで参加。

 途中、用事を挟み、夜遅く行ってみたら、県庁1階のロビーに約100名の人たちが泊まり込みの交渉活動を続けている。

 貸付金の条件を緩やかにするとの以前の約束が、金融機関に十分徹底されていないこと等、具体的交渉の返事を待つという。

 各地の仮設住宅からの老人たちが多い。

 この方たちと同伴することは、近くにいる者、特に教区の地震対策委員の一つの役目だと思い、石のロビーに寝袋を持っていって一晩泊まった。

”アーメンの先生、ご苦労さんやネ”

 と灘の仮設の老婦人から労(ねぎら)われた。

 3月末までに回答とのH局長の約束を得て、翌日夜、座り込みは解かれた。


3月22日(土)受難節第6主日・復活前第1主日の前日

 近くのベアーレで「社会福祉法人 神戸聖隷福祉事業団」の理事会。

 続けて、職員研修の研究発表に理事も学びを、との呼びかけで参加。

 テーマは「ノーマライゼーションと施設」。

 講演は大阪府立大学の牧里毎治氏。

 福祉施設が地域のノーマライゼーションの拠点となるべき方向の考え方を学び、密度の高い研究発表が11施設より、各自10分で行われた。

 障害者入浴介助一つが「仕える」という聖書の言葉の内実としてどんなに深みのあることかを思わされた。


3月24日(月)受難節第6主日・復活前第1主日の翌日

 神戸YMCAで行われている朝祷会で短い説教。

 祈りの中で、日本イエス•キリスト教団 垂水教会の中島彰牧師の逝去を知る。

 舞子の隣りの墓園での笑顔を懐かしく思った。

(1997年4月6日 神戸教会週報掲載 
岩井健作)


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