1995.4.9、神戸教会週報
震災から82日、復活前第1主日・棕櫚の主日(受難週初日)
(神戸教会牧師18年目、牧会37年、健作さん61歳)
マルコによる福音書 14:32-42、説教「祈るということ」
(サイト記)前週「雑感」に続き、この日の週報も「雑感」が掲載。この日の説教テキストが見つかれば追加します。
雑感
3月31日(金)
芽吹き時、神戸背山がうっすらと紫褐色へと色づいている。風は冷たい。
兵庫教区の震災対策小委員会に出席。
109教会(含伝道所)中、全壊16教会、半壊13教会、一部損壊23教会、軽微損壊36教会(及び牧師住居全壊2棟)。
会員及び家族、求道者、園児・教会学校等、教会関係者死亡84名。
教区から教団への中長期的展望と要望を出すべく協議をする。
① 今後の支援体制を3〜5年の単位で要望する。
② 支援は被災地からの要請を軸にして考えて欲しい。
③ 支援は個別的ではなく組織的に、教団・教区が被災各個教会との間をコーディネートする働きとして行うこと。
④ 大事なことは、教会が地域に開かれて働きかけていくその事柄の全体を視野に置いた支援。
⑤ 被災教会の財政の見通しは極めて厳しく、教会施設の補修、改築のための多大な費用を要する中、新年度経常費の大幅削減をせざるを得ない教会が数多くある。教区の財務部は被災教会への負担金については全額免除を含めて大幅な減額をせざるを得ない。
謝儀保証を含む互助体制の現状維持を保つために被害軽微の教会が担う努力をする。
その上で、教団には、教団への負担金の全額免除を含む大幅な措置を打ち出していただくよう望む、等々の案をまとめた。
4月1日(土)
Sさんの記念会を舞子墓園教会納骨堂で、故人のお孫さんやその又従兄さんの参加多し、大きな意味での「死への教育」の機会であろうか。
大切な時だと思う。
同日、震災見舞いの近々の来訪者。
大阪、いずみ教会・笹淵昭平牧師
住道一粒教会・高橋三郎牧師、他2名の信徒の方々
群馬、新島学園高校・大前幸正校長夫妻
北海道北星学園・矢島信一牧師
大阪水上隣保館 老人ホーム・井上良雄館長
等々。
4月1日より3泊4日、北陸学園高校・女子高校生10名が山内ミハル教頭、田中洋子教諭引率のもと、いずみ幼稚園に宿泊。
西神戸YMCAでボランティア活動に参加。
この日、神戸教会会報「震災特別号」が出来上がる。会報部のなかなかの力作。
4月2日(日)
本日より礼拝で新共同訳聖書を使用。
講壇用聖書のインクの香りが漂うようだ。
文章に韻がないのが惜しい。
午後役員会、議題多し。
4月3日(月)
T姉の親友の一人息子、医師37歳、白血病で逝去とのこと。
どう慰めてよいのか戸惑うと来訪相談。
悲しみを聞く以外にないのではないか、そして密かに祈ことだけは出来ると。
午後、礼拝堂で頌栄短期大の入学式。
4月4日(火)
入院中のM兄を京都にお見舞い。
JRの開通がどんなに助かることか。
(1995年4月9日 神戸教会週報 岩井健作記)