牧会祈祷 (1980 復活祭礼拝)

牧会祈祷 − 復活祭礼拝にて

神戸教會々報 No.93 所収、1980.4.13

(健作さん46歳)

 在天の父なる神

 あなたの招きのもと、西から東から遠くより近くより、集ってまいりました老若男女兄弟姉妹、相共に復活日主日の礼拝を守り、主の御名を讃美する恵みを心から感謝いたします。

 父なる神。十字架の苦しみに耐え、死に極まる生涯を「みこころのままに」と受け入れた主イエスのすべてを、あなたはよしとされ、そのことによってのみ現される生命を、「復活」の良きおとずれとして私たちにとどけて下さいました。

 あなたが良しとされることは、どんな小さな出来事も闇の力に打ち消されることなく、生命の躍動を宿し始めます。私たちが負い込んでいる重荷や苦しみは、あなたのみ手にあって深い意味を与えられています。しかしありのままの人間性に置いて弱い私たちです。どうか、あなたの選びの確かさに繋ぎ、素直な懺悔と真実な信仰の告白、そして祈りと献身へと私たちを向わしめて下さい。

 私たちは、今年度の教会標語にコリント第二の手紙 12章9節の御言葉「わたしの力は弱いところに」を選びました。私たちは自分の強いところで生きようとしています。しかし、あなたは徹底して私たちの強さを暴露しつつみ力を示し給います。個人の生き方においても、このみ言葉の持つ力が、私たちの仮面を砕き「弱さにおいてこそ強い」との主体とならしめて下さい。

 教会のあり方においても、私たち日本の教会は多くの弱さがあります。日本基督教団はその弱さを露呈し続けてまいりました。それをありのままに受けとめ、担いつつ成長する教会となさしめて下さい。そして私たちの国と民族は弱者の論理と価値観で国の形成を遂行してまいりましたが、福音の証しがそこに楔を打ち込む証しとなるような意味で、このみことばは受けとめさせて下さい。私たちは、この国の政治経済社会体制との関連で特に、韓国のキリスト者をはじめとする民主化のために闘い抑圧を受けている諸兄姉を名をもって覚えます。また、私たちの国の差別を思います。どうか、弱さに働くあなたのみ力を示して下さい。

 父なる神。今朝二人の若き兄弟姉妹が信仰の告白をし、洗礼を受けます。あなたの選びのうちにはぐくまれたことを感謝します。今日の志と決心とをいつまでも初心なさしめ、祝福して下さい。また、共に守らんとしております聖餐の式、この礼典にもられた恵みを心豊かに味わい知るものとなさせて下さい。

 私たちの教会の肢のうちには、病床にあって不安の日々を送っている兄弟があります。どうか励ましと力を賜り病気に打ち勝つものとなさせて下さい。遠く離れた地にある者たちに、それぞれの信仰の養いをお与え下さい。また、負うべき務めのために、礼拝に参加し得ない者たちを顧みて下さい。そして、いろいろな事情で、礼拝や信仰の交わりを遠ざかっている兄弟姉妹があります。どうか、一人一人を覚え、あなたのよしとされる手だてをもって信仰を養って下さい。そのことを信じ祈ることを私たちに許して下さい。

 父なる神。教会の公益事業の二つの幼稚園のことを思います。昨年度は石井幼稚園の園舎をお与え下さいましたことを感謝します。二つの園から巣立った66名の幼な子の前途を祝福し、新たに入園する子らをはぐくんで下さい。教育のゆがみの中で、福音の真理に立つ幼児教育の遂行を支えて下さい。

 今日この時、時を同じくして守られている全国諸教会の礼拝、特に開拓教会、宣教の困難の地の教会の礼拝を祝福下さい。

 この祈りを会衆一人一人の心の内なる祈りと共に主の御名により御前に捧げます。アーメン


(サイト記)「神戸教會々報 No.93」1980年イースター号の表紙は小磯良平画伯(当時76歳)のカットと健作さん(神戸教会牧師2年目のイースター、当時46歳)のテキスト。小磯画伯のカットを掲載することで関係者にご迷惑がかかる場合、すぐに削除させていただきます。