沖縄を感じる

「求め、すすめる通信」第21号所収 沖縄から米軍基地撤去を求め、教団『合同のとらえなおし』をすすめる連絡会 2015年11月

「アベを倒せ!」「集団的自衛権は憲法違反」「安保法案反対」「立憲民主主義を破壊するな」「原発再稼働阻止」「辺野古に新基地を作らせるな」。

 この国の学生、高校生、教員、若い母親、労働者、壮年、老人など多種多様な階層、市民グループの人々の叫ぴと怒りが心に迫る日々である。「戦争をさせない・9 条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催・呼び掛けのデモ(8/30)に国会前に12万人、少なくとも全国各地で300か所の行動が行われた。辺野古支援基金には、現在(9/2)58398件、435,388,929円が寄せられている。

 多くのマスメディアの権力寄り報道は目に余る(東京新聞など他にも現政権への批判報道をきちんとしているものがあるのはせめてもの救い)。衆院強行採決後、参議院での「安保法案」の攻防で、野党に力をと祈るような気持ちである(本稿執筆時点)。米軍と自衛隊との合同実践訓練情報や事前の自衛隊活動拡大の運用規定の存在。福島核棄民12万人を見捨て、核の最終処分未解決を棚上げにした原発再稼働(川内原発 8/11)。米国の「植民地」と化した安倍政権への憤りは抑えがたい。沖縄は翁長知事を前面に『オールオキナワ』で辺野古新基地建設拒否を明確に闘っている。「沖縄の新聞をつぶせ」(百田尚樹)の発言が公然となされる中、「作業1カ月中断」を余儀なくされつつも、鉄面皮、饒舌、邪悪愚劣なアペは強行姿勢である。「森の映画社」の藤本幸久さんから「速報・辺野古のたたかい」(No.12, 2015, 6-8) が送られてきた。「泳ぐ市民をボートで轢く海保」「続く市民逮捕」などの映像記録に権力の傍若無人への怒りをつのらせるが、安倍に打ち勝たねばならない。

 筆者は今年7月、不思議な導きとでも言う経緯で、高崎市の社会福祉法人新生会(聖公会系)の老人ホームに入居した。以前から知己の理事長原慶子さんに挨拶にいったら、「あなたこれ読んで」と言って雑誌『ひとりから』(57号)を渡された。「ひとり九条の会」発行の私の未知の雑誌だった。「日本中に安倍と自民党、基地と戦争を吹き飛ばす嵐を巻き起こしたい」という、弁護士の金住典子氏と元『展望』の編集をしていた原田奈翁雄氏(88才)夫妻「ふたり」のみの編集で年2回刊行、次号58号で終刊だという。約10本の論文が載っている。すべて闘いの現場からの言葉である。編集室の「沖縄につづこう! 」に始まり、金住さんが「安倍を内乱罪!に」という法律家らしい論を張り、野地道子さんの「感じてください、『沖縄』を」と続く。彼女は沖縄那覇松尾に生まれ、高3で祖国復帰運動にも加わり、その後東京で保育を学び働き、後中国の民衆の不屈の精神に打たれ、中国語を習得、働いて資金を作り、北京の底辺で生活し、天安門事件前に帰国(25歳)。結婚をして長野で二児を育て、「標的の村」の上映会を企画し何回も実施している内に、沖縄をもっと知りたいと思い、長野と沖縄を行き来し、遂に沖縄に帰り、那覇で沖縄初の児童図書専門店「夢空間」を開店、週1回の絵本の読み聞かせも行い12年間続けたという。彼女はウチナンチュとしてのアイデンティティを確立するのに長いことかかったが、石垣島白保で琉球コスモスに包まれた時、「琉球コスモスはウチナンチュの魂の源」を感じたと言う。長野では『沖縄を感じる会』を作り、琉球の歴史、島言葉での歌、食べ物を食べてもらう会を13回開き、1000回を目指すと言う。激しい情熱的人生に驚愕させられた。アイデンティティが自然によってはぐくまれたことに注目したい。沖縄を五感で感じることを怠ってはならないと思った。

 「求め、すすめる連絡会」も何か沖縄を五感で感じる様な雰囲気を宿した運動になるとよいなぁと思う。最近読んだもので、金井創さんの「せんかた尽くれども希望を失はず」(『福音と世界』 9月号)、久保礼子さんの「ちゅら礼子通信 “分断ではなく…” 」(『時の徴』7月号)などは沖縄を生活の場としているものを感じさせ、心に残っている。

(※2015年9月6日執筆)
世話人共同代表:岩井健作