牧会祈祷(2013 関東大震災の日)

2013.9.1 関東大震災から90年目、明治学院教会礼拝

(明治学院教会主任牧師8年目、80歳)

天地の創り主、主イエスの父なる神よ

 酷暑といわれる夏の暑さが続く日曜日の朝、それぞれの生活の中から、この礼拝堂に招かれ、あなたの前に、礼拝の時を持つ事が出来て感謝いたします。

 それぞれに健康を与えられてここに集っています。あるものは、家族の支えへの感謝を心に宿して集っています。あるものは見えないあなたの招きだけを頼りに、それに応える私たちの内なる思いがあって集っています。

 また、信仰の仲間たちとの出会いを願って集っています。何よりも、魂の渇きを癒される事を求めて集っています。神のみ言葉が、私たちを包み、励まし、慰めとなることを祈りつつ集っています。

 礼拝が、活きた神のみ業であり、救いの出来事であることを信じて集っています。

 私たちが日常生活や社会生活で背負い込んでいる課題が、たとえ重いものであっても、きっとあなたの導きと助けにより、拓かれていくことに望みをもって集っています。

 また私たちのつたない言葉と業が、主のご用の一端に繋がることを信じて集まっています。主のみ業の徴を垣間見る礼拝である事が出来ますように、導いてください。

 礼拝を共に守りたくとも集えない多くの人達がいます。ある人は高齢です。ある人は病気です。ある人は今朝果たさなければならない役目があってその場所から離れられません。どうかそれぞれが、自分の場所で抱く、心のうちなる、讃美と祈りを受け入れてください。

 また、礼拝から、遠ざかっている人達のことを、覚えます。神様、許されるならば、私たちの祈りが、執り成しになることを願います。

 神よ、9月1日という特別な日付けを思います。関東大震災の災害と共に朝鮮人虐殺の歴史的事件を記憶します。この負の歴史を痛みを持って覚えることができますように。

 私たちの時代の閉塞感に心を痛めます。貧富格差の厳しさがもたらす、社会のゆがみにあえぐ者たちの苦悩を主はご存じです。どうか生活を追い詰められている者たち、野宿を余儀なくされている者たち、学校を出ても働く場のない人達を顧みて下さい。

 さらに目を広げればシリアの内戦、パレスチナの止めどなき政治紛争に身を晒す人達等。そして情報を知りつつ無力な私たち。「主よ、御国を来らせ給え」との祈りを厚くするばかりです。主の導きを助けを求めます。

 やがて始まる秋の学期を迎える明治学院の学生、教職員、関係者一人一人の上に祝福を注ぎ給わんことを。

 今日の聖餐、午後の教会役員会を導き給わんことを。

 この祈りを会衆の心の祈りに合わせてお聴きあげください。主イエスの名によって祈ります。アーメン。

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