牧会祈祷(2002 神戸教会)

2002.1.27、神戸教会礼拝

(牧会44年、神戸教会牧師 24年目、健作さん68歳、
震災から7年、神戸教会牧師退任まで残り3ヶ月)

天の父なる神

 今朝も、このように、兄弟姉妹と共に、この礼拝堂に集い、礼拝を捧げることを、喜びをもって感謝いたします。

 1週間の諸々の出来事の波間にあって、心が動揺しかねなかった私たちに、「静まって、わたしこそ神であることを知れ」とイザヤ書の言葉をもって招き、また「すべて重荷を負って苦労している者は、わたしのもとに来なさい。あなたがたを休ませてあげよう」との約束をもって、わたしたちをこの場所に導かれました。

 私たちは、その招きと約束を信じてここに集っています。

 どうか、この礼拝を通じて、私たちのありようを、あなたの前に整え、イエスの生涯に倣って、確かな恵みに捉えられていることの慰めのうちに置いてくださり、新しく生き始める力と勇気を、お与えください。

 来し方の過ちを懺悔いたします。私たちは抜き差しならない人間関係の中に置かれています。助けられたり、支えられたり、さらには、聖書が「贖い」という言葉をもってしか示すことができない、神の愛をほのかに映し出すような、深い愛の関係によって、生かされています。愚かで心鈍いために、その愛の支えさえ気づかないままのことがあります。

 私たちの生存の底には、あなたの愛と赦しのあることを、そして主イエスがその生涯をもって、その真実を示されたことを信じる者とさせてください。

 天の御父、私たちの国は、高い文化を持ちながら、どこかで大きな責任の所在が抜けてしまっています。聖書が解き明かし、灯を掲げる神の御旨とはほど遠い、姑息なニュースが後を断ちません。

 また、経済と軍事を頼みとする現実路線が怒涛のように進んでいます。現実路線の分別が、理想を掲げる者を孤立させます。掛け替えのない人間の人格や個性を大事にし、疎外や差別の中から声をあげる者たちの、心を萎えさせる退廃を恐れます。

 どうか、その中にあって、一粒の麦として、また世の光として、ひるまずに黙々と励む隠れた人たちを守り支えてください

 心ない官僚主義、民族主義、国家主義に民衆の心情が打ち勝っていくように、また、イエスのみこころに添う者たちに力を御与えください。

 天の御父、アフガニスタン、そしてパレスチナの現在に想いを馳せます。戦争による荒廃からの立ち上がり、抑圧と危険からの平和を守ってください。今日午後、行われる社会部の働きに、そして教会のすべての業を祝福してください。

 教会は年度末を迎え、一年の歩みをまとめています。みこころにふさわしい締めくくりと、分かち合いができるように御守りください。礼拝に集えない高齢者の兄弟姉妹、病の床にある者、特に病院に入院している人たち、その家族を御守りください。

 親しい者をあなたのみ許に送った者たちに慰めを御与えください。

 一人一人の携えてきた祈りを、受け入れてください。それらの祈りと共に、この祈りを、イエスのみ名を通して祈ります。

アーメン


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