「教会と聖書」13号(2000年12月20日発行)所収
(神戸教会牧師、健作さん67歳)
子どもたちは、倒壊した会堂の屋根の傾斜ですべり台ごっこをしていた。1995年、私があの大地震後、最初に神和教会を訪れた時の光景だった。殉教に等しく亡くなった牧師小林健志は、
「仮設建物に関して私自身、教会としてではなく、震災後の混乱期に集まった子どもたちに贈られたもの……、地域にもらったものなのだから地域に解放しよう……と、教会員たちと語ってきた」(『大震災・市民編 1995』長征社)
と言っている。
子どもがたくさん出入りした仮会堂だった。
遂に2000年、再建の新会堂が献堂された。ずんぐりと、地域に根をおろしたたたずまいだ。
地域に根ざした教会。このメッセージを宿して、住宅地の陽射しが会堂に柔らかく感じられた。
兵庫県神戸市灘区大和町1丁目2−11 日本基督教団 神和教会
長府教会 山口県下関市(2001 教会と聖書 ⑧)