1997年1月12日、降誕節第3主日、
神戸教会週報
被災地の一隅から(その4)
(神戸教会牧師19年目、牧会38年、健作さん63歳)
阪神•淡路大震災から2年
《1997年1月16日(木)、大地震子ども追悼コンサート、当日プログラムより抜粋》
地震で亡くなった6425人の中でも、将来に多くの可能性を持っていた子どもたちの死は本当に不条理の死です。
その意味を尋ねることは深山に分け入るが如くです。
残されて生き始める者たちが、これら一人ひとりの子どもの死の重さを負って生き始めることは、衝撃的地震が促している、当たり前になってしまっていた「大人」の価値観や文化を問い直し続けてゆくことだ、との思いを新たにします。
そうした万感の思いを込めて、”ぼくのこと まちのこと きみのこと”コンサートを計画しました。
クニ河内さん、新沢としひこさん、ラトルスネイク・アニーさんは、阪神・淡路大震災の後、この地に何度も足を運びました。
子どもたちへの思いを込めて、歌を作ったり、歌ったりしてくださいました。
このひととき、追悼というには重すぎる現実を承知の上で、歌に心を開き、現在を胸に抱き、さらに将来へと希望をつなげてゆけるなら、と願っております。
お寒い中でのお出かけを感謝いたします。
神戸教会牧師 岩井健作
このプログラムには、大地震で亡くなった18歳以下の子どもたち513人の名前と年齢、学校・学年、居住地が掲載されている。
調査は、新聞資料の他、阪神間の保育所、幼稚園、小中高校に直接文書で問い合わせた。
その作業等を行った実行委員会には、神戸教会からも牧師・伝道師、神戸教会 いずみ幼稚園・石井幼稚園の教師・元教師が参加している。
◇ 大地震子ども追悼コンサート ◇
日時:1997年1月16日(木)午後6時半開演
会場:神戸朝日ホール
出演:クニ河内、新沢としひこ
特別出演:ラトルスネイク・アニー
《兵庫教区 阪神淡路大震災全逝去者記念礼拝、当日プログラムより抜粋》
”阪神•淡路大震災から2年。なぜ私ではなくてあの人が亡くなったのか?”
その問いを宿し続けて私どもは時を刻んでまいりました。
そして1月17日、全地震逝去者のことを今一度覚えて、記念をしたいと存じます。
死者の死を無にしないで、生き残された者が、地震から与えられた課題を負い続けるためにも、この日に静かな祈りを持って過ごしたいと存じます。
神戸教会牧師 岩井健作
◇ 記念礼拝の詳細 ◇
日時:1997年1月17日(金)午後6時〜7時
会場:日本基督教団 神戸教会 礼拝堂
説教:西澤他喜衛氏(兵庫教区 宣教委員長)
「光、遥かにー朝を待つ」
独唱:阿部恩氏(頌栄短期大学 宗教主任)
「永遠なる安らぎ(ヘンデル)」
奏楽:赤川恵子(宣教委員)
《健作さんの1週間の諸集会》
(1997年)
1月14日(火)「”メサイア” メモリアルコンサート」午後6時半開演 神戸教会
指揮:三澤洋史
合唱:北九州聖楽研究会
管弦楽:アンサンブル神戸
神戸教会音楽部 共催
1月15日(水)教区合同壮年大会 午前10時 在日大韓武庫川教会
1月15日(水)祈祷会 聖書研究 岩井牧師
1月16日(木)大地震子ども追悼コンサート 午後6時半開演 神戸朝日ホール
1月17日(金)石井伝道所集会 午後4時 神戸教会 石井幼稚園
1月17日(金)大地震逝去者記念礼拝 午後6時より 神戸教会礼拝堂
(1997年1月12日 週報 岩井健作)
▶️ 集会報告「被災地の一隅から」