本の紹介(1996 新年礼拝週報)

1996.1.7、神戸教会週報、降誕節第2主日
新年聖日礼拝

(神戸教会牧師19年目、牧会38年、健作さん62歳)

この日の礼拝、聖書:詩編 95:1-11、説教「歴史を導く神」岩井健作
翌週1月14日、杉並教会礼拝説教。15日(月)東京教区西支区全体研修会での講演。
1月17日(水)は阪神淡路大震災から1年。
1月後半の日誌は神戸教会2月4日の週報に記載。


『森は生命の泉』(穂積夏子・絵と文、フィリピン・アジア社会学院 1995)

 著者はこの10年間フィリピンのミンダナオ島で現地の人々と交流し、自然破壊の力に抗して活動してきた方。この絵本は、日本人へのメッセージ。

 有志が普及する会を作って運動しています。

「私たちは、命をかけて森を守らなければならない」と孫を励ますマヌボ族の酋長の言葉は、子どもたちの未来への励ましです。

 頒布にご協力いただける方はお申し込みください。


『牧会五十話』(中村敏夫、神戸学生青年センター出版部 1995)

 84歳の著者が、牧会での経験を50話にまとめて「信徒と教職が理解しあい、信頼しあえる関係での宣教の業が前進することを願いつつ」執筆されたもの。

 語り言葉で、求道者(第6話)から私の夢(第50話「教会観別教団再編成試案」)までを語る、活きた教会生活指針書。


『ホスピスのおかあさん ー お花畑病棟 Part1』(こだまちか、雑誌『シルキー』所収 1996年1月号、白泉社)

 キャッチフレーズ「注目の新シリーズ!末期治療の現場から命を見つめるナース・ロマン」、32ページの劇画の力作。雑誌「シルキー」は、レディースコミックのヒューマンな雑誌。

 ホスピスに生きる明るい杉浦よしえさん、通称「おかあちゃん」の、ご主人への愛の葛藤と病勢の進行との緊張感の中で生きること、死ぬことが赤裸々に描かれている。

 ホスピス関係の主要参考文献などへの勉強が確かで、想像力を促す絵の描写、スピード感に心を惹きつけられる。

 作者こだまちかさんは、W姉息女。


『子どもたちの現在』(菅沢順子、『子どもの生活世界と人権』所収、柘植書房 1995)

 本書冒頭を飾る50ページの作品。

 一人の男と出会って30年。3人の子どもたち。1995年現在、23歳、18歳、16歳。

 エネルギッシュに迫ってくる彼らと、向かい合い、引き受け、生きてきた軌跡を23の本と映画に投影しながら、早口に語る教育論。

 著者のバイタリティと笑みが伝わってくる。

「生きることの楽しさをいっぱい味わわせてもらった」。しみる言葉だ。


『礼拝を新たに』(H.G.ヘイゲマン、矢崎邦彦・高橋隆教訳、日本基督教団出版局 1995)

 訳者・矢崎さんが「あとがき」に拙名を挙げられたので、贈ってくださった。

 礼拝刷新への示唆に富む名著。

(以上は、最近いただいた本の中からの紹介です)

(1996年1月7日 神戸教会週報 岩井健作)


週報インデックス

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