神戸教會々報 別館竣工記念号(号外) 所収、1994年2月27日
(健作さん60歳、牧会36年目、神戸教会牧師17年目)
しゃれた画廊の通路を思わせるような仕上りの会堂一階部分から別館に入り、エレベーターに乗り、陽光の拡がる和室、明るい「障害者」用を含むトイレと会議室兼用の保育室を経て、一階の二つの楽しい保育室、子供の図書室そしてロビーと加えて機能充分な幼稚園職員室と別館をぐるっと廻って、改装で見違えるようになった教務室(旧和室)に戻ってくるというコースをもう何十遍歩いたでしょうか。
別館が完成したのだ、という実感をほんとうに肌で感じています。
思えば、長い工事でした。園庭のない保育を続けながらだったので一層そう思えました。
まずは、藤村洋・別館建築委員長による大林組との忍耐のいる価格交渉、そして1993年4月の起工式。
仮囲い、すみれ組園舎の取り壊し、別館の基礎工事、鉄骨の組立て、内装、そして仮使用、会堂連絡部分の改装の手さぐりの難工事。園庭の整備、砂場の完成。
その間、募金の推進、特別募金委員長・山下長治郎兄の訃報。
「あと一息」の長い努力。遂に1億5000万募金の申込額目標達成。
幼稚園卒園児保護者中心の設備募金へのとり組み、現役組の「えんしゃ祭(バザー)」を目指しての冊子作り、そしてバザーの実施等。
あらゆる面で動いたこの一年を、今静かに振り返っています。
この別館建築は、神戸教会120周年を迎えて、先人達の残した多くの宣教活動の中で、幼児教育の継承充実と瀟洒な礼拝堂の機能補完による宣教活動の場の確保という二つの課題に応える働きでした。
このわざは多くの人々によって担われました。
教会員それぞれが自分のこととして参加しました。
神戸教会に関係のある方々が知り合いを通して協力して下さいました。
幼稚園の40年にわたる働きを通して、地域の方々が協力してくださいました。
また、設計・施工をお願いした大林組は、誠意をもって「小さくて慣れない幼稚園の工事」にあたって下さったと思います。
何よりも、このわざの過程を通し、神は私たちに信仰の養いを与えてくださいました。
すべての導きに感謝しつつ、みなさまと共に一層宣教のわざに励みたいと存じます。
(1994年2月27日発行
「神戸教會々報 別館竣工記念号」
岩井健作)
▶️ 1994年1月2日 週報「別館建築」への感謝