1991年5月26日、神戸教会週報、聖霊降臨節第2主日礼拝
ベルグローリー(ハンドベル)合奏、幼児祝福
(神戸教会牧師14年、牧会33年、健作さん57歳)
”そこで彼らは……イエスに従った”(ルカ 5:11)
むかし、シモンさんという漁師さんがいました。
「おーい、ヤコブさんにヨハネさーん。お仕事に行くぞー」
と言って、夜、ガリラヤ湖に舟を出しました。
夜通し働いたのに、お魚はとれませんでした。
朝になって、すっかり疲れた3人は、破れた網を岸でなおしていました。
すると、向こうからイエスさまが来ました。
「シモンさん、みんなにお話をするから、岸から舟を出してくれませんか」
と言われました。
そして、お話が終わると、
「ここに網をおろしてごらんなさい」
と言われるので、網を入れました。
すると、お魚がたくさんとれたので、3人はびっくりしてしまいました。
3人は前からイエスさまが大好きでした。
イエスさまは
「3人とも、私についていらっしゃい。神さまのことを世界中の人に教えてあげたいのです」
と言われました。
3人はうれしくなって、イエスさまのお弟子さんになりました。
そして、一生けんめい、イエスさまのお仕事のお手伝いをしました。
イエスさまは、病気の人や困っている人を助けてあげました。
ところが、神さまを嫌いな悪い人たちは、イエスさまをつかまえて十字架につけて殺してしまいました。
3人はとても悲しみました。
でも悪い人が怖いので、そっとかくれていました。
それから
「もう、イエスさまはいないのだからしかたがない。またお魚とりでも始めるか」
と言って、ガリラヤ湖に出かけました。
イエスさまが十字架にかけられる前に
「わたしは必ずみんなのところに来ますよ」
と言われた言葉を3人は忘れてしまいました。
その晩も、いつかのようにお魚はとれませんでした。
朝になって、岸に帰ってくると、イエスさまが立っています。
「お魚はとれたかね」
「いいえ、とれませんでした」
「舟の右の方に網をおろしてごらん」
すると、たくさんの魚が網に入りました。
3人は、イエスさまとお魚を焼いて朝ご飯にしました。
「シモンさん、ヨハネさん、ヤコブさん。またわたしと一緒に神さまのことを世界中の人にお話しする仕事をしましょう。わたしはいつまでも、あなたたちのそばにいますよ」
と言われました。
「はい、イエスさま、わたしたちは、イエスさまについていきます。途中で大切なお仕事をやめたりしてごめんなさい」
それからずっと、シモンさんたちは神さまのお話をたくさんの人たちにしました。
今でも、耳を澄ますと、
「わたしについてきなさい」
というイエスさまの声が聞こえるのですよ。
(1991年5月26日 神戸教会週報 岩井健作)