在日大韓基督教会との「宣教協約」に基づく「協力献金」について(1985 週報記事・資料)

1985年1月27日、降誕節第5主日、
神戸教会週報掲載
この日の説教「見えるものにではなく、見えないものに

(日本基督教団 兵庫教区
在日大韓教会協力委員会 委員長:健作さん51歳)


 日本基督教団は在日大韓基督教会との宣教協約に基づいて総額1億円の献金運動を進めています。

 兵庫教区は1984年総会で、献金目標を10年間に1000万円と決めました。

 そして教区内に「在日大韓教会協力委員会(委員長:岩井健作)」を設け、宣教協力の実質化に取り組んでいます。

 献金は毎年2月第一日曜日を「協力献金の日」として決めて、この日の礼拝献金とそれに加えて有志の特別献金とを献げることにしています。

 私たちの教会も役員会でそのように決めました。

 ご協力をお願いいたします。


在日大韓基督教会について

 現在、教会数60(兵庫県に6教会、1伝道所)、教師48名、信徒3310名で、日本に住む韓国•朝鮮人約70万人に対する宣教に励む教会です。

 1909年創立され、その後、日本の植民地政策や宗教政策の中で、苦難の道を歩み、遂に日本基督教会の一部に、さらに日本基督教団に組み入れられ、主体性を奪われました。

 戦後独立し、差別と抑圧に苦しむ同胞にキリストの福音を伝えることで民族主体性の確立に努めています。


今回「協約」が結ばれた経過

 日本基督教団は「戦争責任告白」に基づいて歴史的反省に立ち、在日韓国•朝鮮人の負っている重荷を、共に負うため、1982年第22回教団総会で「協約」を決議し、1983年、在日大韓基督教会側での決議を経て、1984年2月8日、大阪で協約締結式が行われました。


「協約」の内容

 まず、教団は深い謝罪の上に立ち、
① 人的交流と信仰的交流を対等になし、共に礼拝にあずかる。
② 宣教のわざを協力して行う。
③ 特に在日韓国•朝鮮人の人権問題に、双方の教会が協力して取り組む。
 等です。


在日大韓基督教会側の受け止めと宣教計画

「和解の実を結ぶはじめ」として受け止めています。

 現在60の教会を宣教80周年(1988年)に向けて100教会に倍増する計画で、姫路等で開拓伝道が始められています。

 同時に、各県毎に地域の在日同胞の重荷を担う人権センターの役割を果たす願いを持っています。


教団の1億円献金の起こりは

 在日大韓基督教会側で3億円の宣教資金献金を始めたので、教団側では過去の反省に立ち、宣教協力のしるしとして、すすんで1億円宣教協力献金を決意しました。


 なお、この運動推進のため、様々なことをこの一年行ってきました。

 パンフレット、文献、映画、講演による学習、交流の集会、指紋押捺拒否者支援等の人権問題への取り組みなどです。

 教区・教団からそれぞれパンフレットが出ているので、お読み下さい。

(1985年1月27日 神戸教会週報 岩井健作)


1985年 説教・週報・等々
(神戸教会7〜8年目)

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