「石井幼稚園・石井伝道所だより」1984年12月 クリスマス号 所収
(牧会26年、神戸教会牧師7年・石井幼稚園代表役員、健作さん51歳)
【1984年 石井幼稚園クリスマス】
12月7日(金)石井伝道所クリスマス 午後6時〜7時
12月20日(木)石井幼稚園クリスマス 午前9時半〜11時
12月22日(土)教会学校クリスマス 午後6時〜7時半
なんでも食べる子・丈夫な子
鶏(にわとり)を飼っている滋賀県の桜井昭人さんの話が朝日新聞(11月22日)に載っていた。
桜井さんの飼い方は「雑草養鶏」といって、田畑のあぜにある草を刈ってきて、刻んで、配合飼料と共に与えるのだそうだ。
すると卵の黄身の色も濃く味も良いという。
ただし、これは鶏の”幼児教育”、つまり生まれてすぐの雛(ひな)からやらないとダメだという。
桜井さんはこの他、鶏の水飲み場を遠くして脚を太く丈夫に育て、小屋を消毒しないで病気への抵抗力をつけ、餌に籾殻を入れて情緒安定を図るので、いわゆる「しりつつき」いわば弱い者いじめ、人間でいえば学校でのいじめの如きものがないという。
そして健康な体を作り、安定した人間関係を作るのは、鶏も人も同じで食べ物が大事だという。
新聞を読んで私もこの考えに大いに共鳴した。
体と心が安定した子は、バランスよく幼児期から何でも食べている子であるとは、私の日頃の体験でもある。
馬小屋で生まれたイエスはどうだったのだろうか。
貧しい中で好き嫌いなど言ってはおれなかっただろう。
福音書には「幼子は、ますます成長して強くなり」(ルカ 2:40)とある。
クリスマスに聖誕劇をした子たちが何でも食べる子・丈夫な子に育ってほしいと祈る。
アフリカの飢餓状況を思えば、それが多少なり共に生きようとする手探りの第一歩であろう。
(「石井幼稚園・石井伝道所だより」1984年12月 岩井健作)