神戸教會々報 No.89 所収、1978.10.29
(健作さん45歳、幼稚園園長18年、いずみ幼稚園園長1年目)
朝8時20分から職員4名が、聖書日課を読み、祈ることから一日が始まります。
8時半に門をあけると、待っている子供たちが、陽の光にほとばしる水玉のように転がり込んできます。
そして9時に教会の塔のチャイムが鳴り止む頃には遠くの子も御寝坊さんもみんな揃って、子供たちの自由遊びの輪が広がっていきます。
教会が地域社会とのつながりを持ち、そこに何か仕えていく場を求めて創立された幼児教育の業は、24年目を迎えて、このために労した教会の先人たちの労苦と共に実を結びつつあると言えましょう。
現在、3歳児20名、4歳児28名、5歳児25名の三学級73名の小さな幼稚園です。
今、私立幼稚園の大きな問題は、文部省が私立幼稚園の学校法人化を促進していることです。これは一面、公費による運営費補助の道を開きながらも、小規模の宗教法人立や個人立幼稚園(学校教育法102条による園)の切り捨てや、国の教育行政による幼児教育への巧みな介入が危惧されます。
全国教会幼稚園連絡会は昨年「キリスト教幼児教育および施設についての基本的見解」を発表して、教会が幼稚園を通して世に仕えることの根本的意味を問い返しました。
幼稚園は「教会のわざ」でありますが、それが実を結ぶために、益々、教会全体の理解と祈りを持っていただきたくお願いします。
20年園長として労された児玉先生からバトンタッチされて半年、秋の運動会や遠足も終わり、子供たちはクリスマスに向けて、すくすくと成長しています。
(園長 岩井健作)