天地創造の文脈を生きる(2008 新生会)

2008.7.20 発行 社会福祉法人新生会「新生」第31号 所収

(明治学院教会牧師、74歳)

「榛名には、凄い老人福祉施設があるで」と磬ちゃん。

「うちの社会福祉出の原慶子さんがやっとるのや」

 磬ちゃんこと同志社大学名誉教授の連れ合い祐子さんとうちの溢子とが姉妹というのが縁で、磬ちゃんとみんな一緒に新生会をお尋ねした。私と新生会との出会いである。

(サイト記)住谷磬(けい)同志社大名誉教授(社会福祉学 -2009)

 さらに「50周年記念シンポジウム」に参加。慶子さんの「福祉を市場原理主義にまる投げしてゆく」現実への怒りと、それを克服すべき「人間・芸術・命・平和」の必要を説く基調講演に、専門領域からのシンポジストの応答が配置された素晴らしい企画であった。司会者・鈴木育三さんの、フロアからの質問をとの促しで、このテーマの文脈に「貧しくされた者」の視点とその主体性をどう考えていくべきかと質問をして、私もコミットした。

 今年春、3月30日、安中教会創立130周年記念礼拝説教者に招かれ、新島襄の遺産としての群馬のキリスト教の厚みを述べた。その奔流に私は、新たに榛名の実践のキリスト教を加えるべきことを語った。その帰途、新生会に、原慶子さんと鈴木育三さんをお尋ねしたのが、この欄への寄稿のきっかけになった。

 その時、読書家の慶子さんから、フランスの特異な哲学者ベルナール・スティグレールの『愛するということー「自分」を、そして「われわれ」を』(新評論 2007)を紹介された。

 すでに慶子さんが前号2頁に、人間破壊の時代に人間が人間らしく生きる根底の個性化を「ものを創造すること」として記述している。この度のHALCコミュニティーセンターの思想である。

 さて、その「創造」の根源とは何か。新島襄は近代日本の黎明期、富国強兵の夢を持って海外脱出をしたが、洋上、聖書の冒頭の言葉「元始に神天地を創造たまへり」(創世記1:1)に打たれ、生き方を転換させ、人を育てる同志社の設立を行なった。これは「神の創造」の業の文脈であった。この文脈を自らの課題として生きていきたい。

安中教会創立130周年記念礼拝 聖書に出会えば、何かが起きる(2008 礼拝説教)