「集団自決」軍の関与なし、この検定意見の撤回を求めよう。(2007 沖縄)

2007.10.3 (明治学院教会牧師、健作さん74歳)

沖縄から米軍基地撤去を求め、教団『合同のとらえなおし』をすすめる連絡会 代表

「“合同とらえなし”をすすめる」ことを「本会」の運動の展開に当って私は強く意識している。それは、沖縄に対して本土側がどれ程の「罪責意識」の深化とそれに基づく「歴史認識」を構築できるかということである。沖縄差別、抑圧、琉球処分、沖縄戦の是認による天皇体制維持の日本国の持続、米国支配、祖国復帰による米軍基地の押しつけ、米軍再編による基地強化、それらは現象的に沖縄で起こっている問題であるにしても、問題の本質は、本土の意識と体制の表れである。

 日本基督教団は「戦争責任告白」をしたにも拘らず、沖縄の現実をひきおこしている底流としての「本土の責任」にまで深めることについて無自覚であった。沖縄でおこる具体的問題はたえず、その根本を問うている。今回の「高校歴史教科書からの沖縄戦・集団自決への“日本軍命令の削除”検定意見撤回と記述回復」要求を巡り、本土での言論と行動は、即、本土の「罪責・歴史認識」に関わることである。たとえそれが市民運動レベルの行動であっても、私は教会を背負った人間の行動であると思っている。

 9月25日、呼びかけ人の一人をつとめる「とめよう戦争への道!百万人署名運動(西川重則事務局長)」の行動の一環で、私は、文部科学省、教科書図書検定審議会への「検定意見撤回」の申し入れ行動の13名に加わった。特に検定審議会の政治性を具体的に強く批判した。東京駅近くの仮庁舎前ではメンバーの一人・上江田(かみえだ)千代さん(ひめゆり部隊生存者)らと共に街宣を行い「声を上げよう」と訴えた。琉球新報の取材はあったが、本土各紙は不在であった。この行動は29日沖縄県民大会に本土から参加する者達が沖縄の地に足を付ける自分の存在の確認でもあった。私には参加の余裕はなかったが、祈りを持って参加者を送った。

「撤回を求める意見書」の可決は県議会は二度、41の市町村議会にわたり、本土でも国立市などで始まっている。県大会には11万人が集結した。この事実の重さを噛み締めねばならない。「天皇の軍隊」の民間虐殺の思想と事実への告発である。「朝日」は社説で「ことは急を要する。渡海文科相はただちに検定意見を撤回すべきだ」(9/30)と述べ、「文科省が対応検討」(10/2)と報じる。どうだろう、何もできないと言わないで「検定意見の撤回を」とハガキ一枚を書いては。あて先、〒100-8959東京都千代田区丸の内2−5−1文部科学省 渡海紀三郎大臣様宛。自分の言葉で。成り行きは予断を許さない。沖縄に応えよう。 

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