1981.4.1、神戸教会 1981年度宣教方針
1981年5月より兵庫教区総会議長に就任(任期2年)
(神戸教会牧師3-4年目、牧会23年、健作さん47歳)
過ぐる一年を省みて、地味ではありましたが、過年度にかかげた宣教方針を少しでも深め得たことは、主の恵みによることと覚えて感謝したいと存じます。
今年も前年度の課題を継承してまいりたいと存じます。
第一は、礼拝の充実。
特に生活と礼拝が離れないよう心がけ、みんなが役割を分担し、それぞれの奉仕をしていきたいと存じます。
昨年、講壇は教会暦テキストによるものの他、ガラテヤ、詩篇、ヨハネ第一を学び、また伝道師の他、阿部、杉瀬、深田、姥江、岩村の諸先生に担当いただきました。
今年も、福音が広く深く正しく活きて語られるために祈り心を注ぎたいと存じます。
礼拝出席数を現住陪餐会員との比率で考えると27パーセント出席です。(教団平均54パーセント出席)
都心型教会として一層工夫集中のいるところです。
先人の信仰の足跡をふりかえり、礼拝を信仰の養い、交わり、伝道の拠点としてまいりたいと存じます。
第二は、交わりの質が、人間的直接性(世俗)から福音(キリストの十字架の愛)を媒介したものへと深められることを祈り求めてまいりたいと存じます。
このことは、日本社会を支えている人間関係のあり方を問いかえし、また日常の信仰の戦いを促されることでもありましょう。
第三は、共に育つ教会。
私たちの教会は、神学的にもリベラルな伝統をもっています。
その良さに立ち、それぞれが自分の信仰の論理を大切にしつつ、また同時にそれを自己完結した信仰理解に終わらせることなく、諸活動を通じお互いに頒かち合える教会として成長したいと存じます。
第四は、全体教会としての教区、教団の歩みにつながり、特にそれらが苦悩して負ってきた宣教の方向性である「戦争責任告白」の実質化を、続けて私たちの教会の問題としてまいりたいと存じます。
そこから派生する諸課題(沖縄、靖国、日韓、部落、アジア、障害者等の諸問題)を学び、出来ることは心してとり組みたいと存じます。
第五は、幼稚園を教会のわざとして支えていくことであります。
幼児減少下での運営、障害児を含めた統合保育が新しい課題となっています。
一層の理解と支えが必要です。
さて、今年は、これらの継続のことに加えて、以前より宿題となっている教会の歴史研究にとりくみます。
これは目下、武藤誠兄の手元ですすめられている資料集の編纂とは並行して行います。
月1回の研究会を「近代日本と神戸教会」のテーマのもとにすすめたいと存じます。
この春、渡辺敏雄伝道師を留学のため送り、新しく飯謙伝道師を迎えました。
教師を次々と与えられることに感謝し、また同時にその賜物が教会の持てる力と結び合わされて、宣教の力を倍化するものであるよう励みたいと存じます。
今年は「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」(ローマ 12:14)を教会標語に掲げました。
主イエスが人の心に情と思いを激しくまた豊かに寄せられたことを思い返し、私共の教会の状況で、このみ言葉の深みへと歩み出してまいりましょう。
(神戸教会牧師 岩井健作)