「防災・コミュニティ・銭湯」(2012 震災銭湯・シンポジウム発題)

2012年1月15日(日)
鎌倉に震災銭湯をつくる会
シンポジウム発題

(鎌倉に震災銭湯をつくる会代表、
明治学院教会牧師・健作さん78歳)


1.経過

① 2010年
 高齢者入浴助成券存続の有志交流。
「事業仕分け」での打ち切り反対署名活動。
「鎌倉市公衆浴場組合」「銭湯友の会」「鎌倉市老人クラブ連合会」との連携。

② 2011年1月17日
「鎌倉に銭湯つくる会」発足。
 震災銭湯創設要望の署名運動。

③ 2011年9月
 市長に署名提出、約8千名分。

④ 2011年9月
 鎌倉市議会に「震災銭湯研究・検討」陳情書提出。本会議で採択。
 その他「神奈川県公衆浴場組合」への働きかけなど。

2.震災における入浴問題(阪神淡路大地震の場合。岩井の経験)

自助
 ・もらい湯を自分で探す。知人。
 ・地震地域外の施設
 ・水道・電気・ガスの回復。

共助
 ・臨時風呂の設置(ドラム罐風呂、ボイラーや浴槽の設置)
 ・ボランティアの入浴サービス(施設の確保、送り迎え)
 ・既設の銭湯の復興回復(神戸の場合、長田が早かった。岩井の居住していた中央区の場合12軒中11軒、廃業1軒)

公助
 ・自衛隊銭湯(神戸の場合、21ヶ所24セット。自衛隊所有野外セットの8割)
 ・仮設住宅風呂(問題点、ガス代が高い。コミュニケーションの場にならない)

 この公助の共助の部分に「震災銭湯」という概念を新しく取り入れる提案。

3.震災銭湯のイメージ

 ・行政が建物、施設を作る。
 ・通常時の運営は「浴場組合」が行う。
 ・通常時は鎌倉観光者、トレッキング常連者が疲れの回復・気分の転換に利用できる。
 ・銭湯の少ない旧市街地(材木座に清水湯1軒、他は4軒は大船地区)では、市民が日常利用する。
 ・特に内湯のない住宅居住者、高齢者が利用する。
 ・高齢者にデイサービスも実施する。
 ・災害時は、帰宅困難者の一時避難所、被災者の入浴、救護所、救急医療場所、情報センターとして機能させる。
 ・設備は、井戸の設置、コージェネレーションによる発電機。燃料はガスボンベ。
 ・場所はできる限り市役所、駅周辺に。

4.震災銭湯の意義

① コミュニティー(人と人との触れ合い、地域力)の創造

② インフラとしての防災と両輪となる人の繋がりとしての防災の下支え

③ 弱者を包む文化の創造
 災害時弱者を考える。

④ 子供にとっての社会教育の場

5.今後への展望

① まずは鎌倉市民に働きかけて理解を深める。

② 世界遺産をめざす観光都市の安全・安心の視点から防災・観光・福祉を結び付けつつ総合的視野の政策を考えてもらうように、関係者に訴える。

③「震災銭湯」のコンセプトを「銭湯業者」「ガス会社」「他都市」にも考えてもらう。

④ まずは、鎌倉市行政の中に何らかの「受け皿」を作ってもらう。

(岩井健作)


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