沖縄教区との関係の修復を計る件(素案)(2003 沖縄)

2003.12.29 執筆、素案として

(川和教会代務者牧師、70歳)

 第33回 日本基督教団総会は「日本基督教団と沖縄キリスト教団との合同とらえなおし」に関連する議案を審議未了廃案とする処置を行った。

 これは日本基督教団の歴史にとってこのまま放置しておいて済まされることではない。このことに関連して沖縄教区常置委員会は「当分日本基督教団との関係に距離をおく」趣旨の決議を行った。その後、この決議の意味を十分に斟酌して常議委員会は新たなる措置を起こしていない。このことは教団の将来にとって禍根を広げることになりかねない。常議委員会はここに速やかに同教区との関係の修復を計るための施策をとることを決議する。

 提案理由

 日本基督教団は第3回教団総会において、当時九州教区沖縄支教区(1941年6月24日、宗教団体法により統合された日本基督教団は当時の沖縄の福音主義教会5教派を組み入れて成立)を放置し抹消したままで第二次大戦後の教団の組織再編成を行った。

 その後、戦後新たに成立した「沖縄キリスト教団」への対等な教会的自覚を欠落させたまま両教団の合同をおこなった。この背景には日本基督教団の「日本近代と教会」についての歴史認識が大きく反映していることが指摘されるようになった。

 その後、歴史認識の重大性を自覚し「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」を行い、日本(本土)と沖縄(琉球)との戦前、第二次大戦下、米軍統治下、沖縄返還後の関係史を自覚して、1969年の合同が教会の合同としては不十分な面を多く持っているとの自覚に立って1978年、第20回教団総会で「合同とらえなおし」(議案54号)を可決して以来、この問題に取り組んできた。

 それ以後、数々の決議がなされ、膨大な論議がなされ、それは依然として続けられている。このことの論議は一方の当事者である沖縄教区を除いては有り得ない。論議の打ち切りは、教団の歴史の中断であり、教団が託されている「福音」の非歴史化、それはまさしく「非福音化」を招くことにもなる。論議の詳細にわたっては様々な立場があるが、論議の打ち切りは、速やかに修復されねばならない。

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