子育てはゆったりと(1992 石井幼稚園)

「石井幼稚園だより」No.45、1992.6月号所収(健作園長 58歳)

 プロ野球は今年「阪神」が上位でファンを喜ばせています。高校野球でも選手を「強く」しようとして「教えこみ」すぎて「育てる」ことを忘れると、後にはむしろ駄目になるそうです。

 幼児教育の場合もこれと同じことが言えます。幼児も無理をすれば相当なことができます。しかしそれは後になって、その子の成長の妨害となることさえあります。これは、河合隼雄氏(前京都大学教育学部教授)が『子どもと学校』(岩波新書)で言っています。そしてダメになった例をたくさん挙げています。

 「教えること」「育てること」のバランスは微妙です。幼児期は後者が中心です。「育てる」より「育つ」ことが大事で、親はよく「見守る」ことが大事でしょう。

 見守るためには、低い目、こどもと同じ高さの目。
 長い目、じっとこらえて曲折を経て育つのを待つ目。
 広い目、広角レンズのような目。
 この3つの目が必要でしょう。

「成長させてくれるのは神である」(コリントⅠ 3:6)

 と聖書にも書かれているように、私たち親や教師、そしてこどもを含めて、じっと見守ってくださる神様がおられることを告げています。

 神の導きの中で、子育てはゆったりとしましょう。

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